いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第33回:2023年9月10日(日)

当サークル久々にして2回目にあたる新クトゥルフ神話TRPGのプレイです

 

今回の参加者は、Nさん、Sさん、小⑤A子さん、そしてMasterの計4名。

システムは超久々の〈クトゥルフ神話TRPG〉(前回のプレイは2020年8月)で、キーパーは、Sさんが担当。

プレイ時間は、9時30分~13時00分でした。

 

今回から仕切り直し、サークル仲間が在住する地元を舞台にした現代劇シナリオをメインに展開することとなり、まずは自分たちの分身であるキャラクターの作成を行いました。

メンバーの各キャラクターについては、今回ひとまずデータ面を作っただけなので、細かな設定含めちゃんと作り上げたものは次回プレイのレポにてご紹介できればと思います。

 

遊んだシナリオは、『新クトゥルフ神話TRPGシナリオ集ビブリオテーク13』に収録されている“コーヒー一杯分の恐怖”。既製品シナリオと言うことからも、ネタバレ厳禁と言うことで、いつものようなプレイ風景は書かないことにします。

ショートシナリオながらもテーマやストーリーの流れが秀逸で、ハラハラドキドキのプレイが展開されました。

 

クトゥルフ関係を良く知らない小⑤A子さんも、「本当にあった怖い話とか、都市伝説系のRPGか~、こっちも面白いなぁ~」と言う形で理解しプレイしていたようです。

 

………to be continued !!

例会レポ 第32回:2023年7月23日(日)

前回から半年を経て・・・例会復活!!

 

前回の例会(第31回:2022年12月25日(日))以降、仕事やら家庭の事情からなかなかメンバー間で予定が合わず、半年の期間を置いてからサークル再開と相成りました。

今回の参加者は、Nさん、Sさん、小⑤A子さん(←前回の例会時は小④だった!)、K子さん、そしてMasterの計5名。

DMは、リーダーMasterが担当。

プレイ時間は、9時30分~15時30分でした。

 

PYの持ちキャラである、PC達の名前やクラス、そして冒険者パーティ編成(役割分担)は次の通り。全員3レベルキャラになります。

 

◆前衛(近接攻撃班)

 小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)

 K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)

◆補助(回復&補助魔法班、近接攻撃の第2班)

 NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ

 SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)

 

――実は今回のシナリオ、前々回、私リーダー・Masterが担当したシナリオ”鎮魂の宝玉”の続編になります。半年間の休みになるとは思わず、例会後に作り始め、程なくして完成させており・・・。前回の話を覚えていないと理解できない内容にはしてなかったのですが、何となく前作を把握していると楽しめる部分もあるので、参加者の皆さんには当ブログの前々回のプレイ風景を軽く再読しておいてもらった次第です。読者の皆さんも第30回目の例会風景レポを読んでからこちらを見てもらえると、より楽しんでいただけることと思います――

 

 

■シーン1.荒野のなか連行される村人たち

DM「冒険を求め再び旅に出た君たちは今、荒野を旅している真っ最中です。ある日のこと、なにやら雲行きがおかしくなり始めました。まるで前々回の出来事のあいだの様に、空がどんよりと曇り、冷たい風が吹いてきます。何やら周囲から漂ってくる気配もおかしい。先日の冒険で感じたような、“死者の気配”が感じ取られる気がするのです。さて、岩が多い場所に差し掛かったところ、岩々に阻まれ見えない向こう側から、いくつもの足音と、ムチを叩きつけるような音が響いてくることを知りました。全員で目を見合わせ、岩が集まってできたその丘状の場所の手前でそっと歩みを止めます」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「何事だろう? (テーブルに広げられたバトルマップやテレインを指差し)この丘を形成してる岩々の隙間とかから、向こう側を覗き込めますか? 昇り降りとかも危険はないですかね?」

DM「ハイ、危険なことはないですし、そっと覗き込むことも可能ですよ」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「(マイフィギュアを移動させつつ)ではこのあたりの隙間をぬってここまで動きます」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「じゃ、私も覗き込んでみようかな(同様にフィギュアを動かす)」

 

DM「岩場の向こう側は道になってます。村と村、もしくは別の土地へと向かう為の街道でしょう。ローカルな土地なので、君たちも知らない田舎道ですね。そこに6人ほどの若い男女の、おそらく近辺の村人と思わしきグループがおり、彼らは先頭に3体のスケルトン、中央に2体のスケルトン、しんがりに3体のスケルトンに囲まれていました。どこかに向かって無理やり歩かされている様子です。ちなみにスケルトン達はムチの他に、剣や弓矢などで武装してる、兵士風のいで立ちをしてますね」

DMは丘の向こう側の区画に、ミニチュアを次々と並べていきました。PY一同はそれを眺めながら、コソコソとさっそく相談し合います。

 

DM「スケルトンはムチを振るい、『トットト歩ケ! 逃ゲ出ソウナドド思ウナヨッ!!』と命令してます。どう見ても、無害そうな村人が、モンスターの一団に拉致され、どこかへと連れ去られている最中ですね」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「明らかに何かよくない出来事が発生してますね。村人を救い出しにすぐ行動するか、それともどこに連れて行かれようとしているのかつけて行って確認するか?」

DM「一人の小柄な青年が、『僕は行きたくない、村に帰してくれ!』と、スケルトンにすがって懇願すると、スケルトンは無慈悲にムチで何度も青年を叩きつけます」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「これは救い出すのに、すぐ行動に出た方が良いだろう!」

待て・待て・待てぇ~ぃ!! トゥッ!!

PY一同はうなずき合い、スケルトンの一団に戦いを挑むことをDMに宣言しました。スケルトン達はPC側にまったく気がついていないので、不意討ちを受けます。

PY達は丘の上にマイフィギュアを移動させました。その光景を見て、「『待て、待て、待てぇ~ぃ!』と、戦隊ヒーローがお決まりの高い位置に突如として出現した!」と冗談半分の説明がDMからなされると、場に爆笑の渦が巻き起こります。

射撃武器を持つPCが手始めに弓矢で手前のスケルトンを攻撃。残念ながら外れました。

さて、DMは突如としてタブレットにインストしてある効果音アプリから雷を選択、鳴らします。

 

PY一同「?! ?! ?!(・・?」

DM「いきなり不意討ち攻撃を受けたスケルトンが驚いて君たちを見上げます。すると時同じくして、近くにあった枯れた巨木に雷が落ち、木が引き裂けました。呼応するかのように何故かスケルトン達の身体が微かに青くチカチカと点滅します」

PY一同「?! ?! ?!(・・?」

 

DM指示で、PYは技能〈魔法学〉判定。唯一成功したK子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)は、邪悪な存在(?)が、スケルトン達に何かしらのパワーを与えたことを知りました。

 

イニシアチブ判定をすると、ほとんどの冒険者が先攻。スケルトンは後攻になります。

敵味方共に、接近戦・射撃戦が入り乱れますが、どうしたことか皆さん目が振るわない(^^;

 

DM「小⑤A子さん、目が振るわないね。久しぶりだからかな~?」

一同「アハハハハッ」

DM「あとから勢いが戻ってきたりして~」

一同「アハハハハッ」(しかし、本当にそうなろうとは、この時、誰も想像すらしていなかったのでした・・・(詳細は後述))。

しばし空振りを続ける戦闘が続きましたが、どうにかこうにかPC側は大した被害が出ることもなくスケルトンを殲滅、村人たちを救い出しました。

先ほどの落雷の意味は、この戦闘では解明できないままになりましたが・・・(詳細はやはり後述)。

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「村人たちに『何があったんだい?!』と聞きましょう」

 

DMは村人のフィギュアをPC達の方に向け直しながら説明します。

 

DM「村人たちの話によると、彼らはここからそう離れていない場所にある、エルドア村の住人だと自己紹介してきます。そして簡単に事情説明をしてきました。『噂話によると数週間ほど前、ここから少し離れた森の奥にある古戦場跡に祀られている“鎮魂の宝玉“と言うのが盗っ人に盗み出されたそうな。それをどこかの勇敢な冒険者が取り戻したらしい・・・と、そこまでは良かったのですが・・・。その頃からこの近辺でも亡者が現れ始め、我々の様に、この近辺のあちこちの村から住人がさらわれる事件が起き出したのですよ』」

 

PY一同は身に覚えがある話題に、「う、むむむむ・・・」と、目を見合わせます。

 

DM「村人たちは、『勇敢な冒険者の皆さんに事件を解決する手助けをして欲しい、是非ともひとまずはエルドア村に来て欲しい』と懇願してきますね」

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「あの出来事が、こちらにも影響を与えていたとは・・・。あちらでも関わったし、乗りかけた船でもあるし、力を貸すことにしましょうか?」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「うむ、そうしよう」

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「わかった」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「ハイッ」

 

村人たちを護衛しながら、冒険者一行はエルドア村へと向かうことになります。

 

 

■シーン2.エルドア村にて

――村人を救出した場所から半日ほど行った場所にエルドア村はありました。のどかな風景で、どこにでもある小さな村です。ただ、変わらず悪天候のせいもあり、どことなく不気味な雰囲気が漂っていました。

冒険者一行は村長の家に案内されます。救い出した若者たちの事情説明から、歓迎されました。村人たちの計らいで、村の中心核となる人物が集められ、PC達と話し合いがもたれます。PC達は村長たちと話、情報を収集しました。

 

・今から数週間前、鎮魂の宝玉が云々。その近辺以降、この一帯の様子もおかしくなった。亡者が現れ始めたのだ。皆がまことしやかに噂しているのは、大昔この一帯を治めていたゼルド王の城跡にて眠りについていた者たちが、鎮魂の宝玉事件の影響を受け、何らかの刺激(年寄りたちいわく、「邪悪な亡者の波動の影響」)を受けて、深い眠りから目覚めたのではないか、というもの。

・ゼルド王は、大昔、この一帯を暴れ回ったとされる魔神軍の配下にならないかと言う申し出を受け、半分人間半分魔人の存在となった。その力を持ってして支配する土地を拡大しようと考えたのだ。しかし、やはり当時の人間の軍に城ごと滅ぼされ、深い眠りについたと言う。

・結局、もともと人間で、その力も姿も中途半端な存在でしかなかったので、魔神程のこともなく、特に封印などはなされていなかった。が、今回の魔神軍の一部の復活の邪悪な気配がこの一帯に蔓延したこともあり、刺激を受け復活したのであろう・・・。

 

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「DM、ゼルド王とか、その辺の伝説について、自分達も何か知ってませんかね?」

 

PYからの質問に、DMは能力値の〈知力〉判定を促します。しかし、成否にかかわらず、大した情報は得られなかったのでした。

 

――PC達は村人と話を続けます。

 

・詳しい事情は分からないが、この一帯にある村々を襲っては、働き盛りの若い男女を拉致し、何かをさせるため古城跡に連れ去っているらしい。我々が知る限りでも、数件の村から被害が報告されている。

・若いもんはさらわれているし、とてもではないが普通の村人や残された老人に亡者と戦う力などない。皆さんで、なんとか亡者を倒し、若い衆を救い出してきてはくださらないか? 解決してくれれば、被害に遭っている村々と交渉し、きちんと謝礼は致しますので。

 

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「(他のPYにも了承を得て)承知しました、協力しよう。ところで、その古城跡とは、どこにあるんだい?」

DM「村長たちは首を横に振ります。『何代も前から誰も行かなくなった古城跡の詳しい場所を知る者は、このエルドア村にはおらん。北の方にしばらく行ったところにあるボルバーク村なら伝説にうたわれた場所に近いので、そこに知っている者がいるかも知れない』」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「そこは無事ですかね? 無事なら、新たに情報を得られるかもしれないですよ」

村長(DM)「どうなっているか我々も分からないが、噂では取り残された老人たちが殺されたと言う話はいまだどこからも聞いたことはない」

PY一同「なら、行ってみるしかないね」

村長一同(DM)「おそらく鎮魂の宝玉にて封印される存在ですらなかったようだし、倒しさえすれば、彼らは再び深い眠りにつくはず。なんとかこの一帯の村々を救ってくださいませ!!」

 

PC達はエルドア村でひと晩を過ごし、翌日さっそくバルボーク村に向かいます。

 

 

シーン3.恐怖の酒場

――エルドア村の人々に聞いた村同士で使われている街道を半日以上かけて進むと、冒険者たちは無事ボルバーク村にたどり着きます。先の村同様、田畑の広がるのどかな風景で、どこにでもある小さな村でした。やはりここも他の場所同様、怪しげな天気、怪しげな雰囲気に包み込まれており、夕闇が訪れた時間帯と言うこともあり、その不気味さは更に増していたものです。

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「村を見渡して、村長の家とか、どでかくて目立つような村の有力者の家みたいのはありますか?」

DM「パッと見、有力者の家とか、そういうのは見当たりませんね。ただ、酒場兼宿屋風の建物がありまして、そこが一番大きな場所に思えました。ちなみに村の様子なんですが、おそらくは今回の事件やモンスターを恐れてか、すべての家々の窓はカーテンやら雨どいが締め切られており、真っ暗なんです。人がいるのかいないのか、分かりません。村の小道などにも人っ子一人おらず、シーンとした中、風が吹くばかり。先の酒場兼宿屋だけは明かりが漏れてきていますよ」

PY一同「・・・。取り合えず、その目立つ酒場に行きますね」

 

酒場のドアをくぐると、店の中にたむろしていた面々が、ギョッとしたようにPC達を見ました。あきらかにモンスターの集団が来たものかと勘違いした風です。ただ、PC達と知ると「旅人がやってきたのか」と胸を撫で下ろし、再び静かに酒を飲み始めたのでした。

酒を飲むは老人ばかり?

DM「酒場にいる面々、バーテンダーを含めて7~8人程ですが、みな年老いた老人ばかりでした。と、君たちは奥の方にいた人物と目が合い、お互いに声を上げてしまいます。何とその人物はハーフエルフの青年吟遊詩人ブランだったのです。前々回の冒険で知り合った人物ですね。『これはこれは冒険者の皆さん! この間の出来事を解決したという噂は聞いております! いや、実はわたくし予感しておりましたよ、この一帯で起きてる事件を耳にしまして、また勇敢なあなた方が訪れてくるのでは、とね!』」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「ブランさん!? どうしてここに?!」

DM「ブランは愛用のリュートを奏でながら答えてきます。『見聞きを広める旅を続けていましてね。ここに来たのは偶然です。それでこの一帯で起きてる出来事を知り、色々な方に話を聴いていたところでした』」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「おお! なら、何か情報を知りませんか? 我々はまさしくその事件を調べている所なのですよ」

ブラン(DM)「伝え聞く古い伝説です。昔々、魔神の軍勢が跳梁跋扈していた頃、この土地を治めていた欲深いゼルド王は領地を広げたい野望から、魔神軍の仲間にならないかと言う申し出を受け、妻の王妃グラシェスや城の兵士たちと共に半魔人と化した。しかし、それを知った当時の人間の軍勢は許しておけないとゼルドの城を攻め、討ち果たした。城は崩壊、ゼルド王は瓦礫の下に消えた。一人生き残った王妃グラシェスは嘆き悲しみながら、死んでいったと言う・・・」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「王妃もいるのか・・・。そのゼルド王がいたと言う古城跡を探してもいるのだが、場所とか知らないかい?」

吟遊詩人ブラン(DM)「さぁ、私も場所までは・・・」

 

そこまで話したところ、周りにいた老人たちが興味をひかれたように割り込んできました。

 

老人(DM)「あんたら、一体何者なんだい? 何をしようとしているんだ?」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「スケルトンにさらわれかけてたエルドア村の若者たちを偶然救い出してね。その流れから、ゼルド王の古城跡の亡者どもを倒しに行こうとしてるんだ」

 

老人たちは急に目の色を変え、冒険者一行を取り囲みました。ご多分に漏れず、このボルバーク村も事件に巻き込まれ困り果てていたのです。突如としてやってきたスケルトンの集団は、働き盛りの若い男女を古城跡へと連れて行ってしまいました。残された老人や、年端も行かない子供では成すすべもなく・・・。

冒険者一行はボルバーク村の老人たちに、古城跡がどこにあるのか詳しく教えてもらいます。

 

PC(PY)一同「しかし、古城跡で一体何が行われているんだ・・・? なんで人手がいるんだろう・・・?」

DM「そこまで話し込んでいたところ、一番奥の席に着いていた黒いローブ姿の、まるで仙人のように物凄く年老いた老人が君たちに振り返ってきました。『どういう事情かは知らんが、古戦場跡の“鎮魂の宝玉”の効果が少し前に消えた瞬間がある。ゼルド城の者どもは魔神軍自体ではないのでそもそも宝玉の影響は受けていなかったが、あの時、この一帯に、邪悪な亡者の甦る波動が広く広がったのさ。その時、王妃グラシェスの亡骸や家臣たちが波動を受け、目を覚ました! 王妃は崩れ去った城跡のどこかに埋もれているゼルド王の亡骸を、配下の亡者どもに探させている。王妃の魔法の接吻があれば、王はこの現世に再び息を吹き返すことが出来るのだ! 王妃は愛し合う王を目覚めさせ、ふたりでこの地を再び支配しようと目論んでいる。・・・が、探すにも人手が足りない。それで近隣の村々から発掘作業を手伝わさせるために若い人間を集めているのさ!』」

PC(PY)一同「えっ、そうなのか??? でも、なんであなたはそんなことを知っているんだ???」

老人たち(DM)「ん? じいさん、あんた誰だ? 村の人間じゃないな?」

 

すると、いきなり謎の老人の頭、顔、首、手などの皮がめくれ上がり、下に見えたピンク色の肉がドロドロに腐って崩れ落ちると、バサリとローブが取り去られました。そこには立派な鎧兜を身に着けた、スケルトンの戦士が立っていたのです。

 

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「うげげげぇ、気持ち悪ッ!」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「敵が化けてたんだッ?!」

DM「スケルトン戦士は歯をガチガチと噛み合わせて鳴らします。『働き手だ、我々は働き手を欲する! 人手が足りない!! 旅人でも、老人でも、もう構わない!』そう大声で言うと、剣を抜きました。次の瞬間、酒場の外からいくつかの規律正しい足音が響いてきます。店の入り口、そして勝手口からスケルトン兵士がなだれ込んで来て、君たちを取り囲みました! 様子を見て驚いた老人たちと吟遊詩人ブランは、これはまずいと一目散に酒場の奥へと避難します」

戦闘が開始される前、荒野での遭遇同様に雷が鳴り響きました。やはりスケルトン達の体が青く光り輝きます。

酒場に訪れた時からの配置づけにより、スケルトン兵士5体を、ほぼ小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)とNさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)が二人で対応する形になりました。

ダタクがターンアンデットを試みますが、なんと無効化されます。スケルトン戦士が笑い出しました。「グラシェス王妃様から発せられる魔人の加護に我々は守られているのだよ!」「なんと・・・効かないだとッ?!」

二人は取り囲まれたことからタコ殴り(DMのダイスの目もキレッキレで冴えまくっていた)にされそうになりましたが、HPが無くなる前にからくも倒すことに成功します。

毎日骨太を愛飲、マッチョ・ボーン兵士団

DM「なかなか倒せなかったね。“毎日骨太”飲んでる、元気で健康なマッチョボーン兵士だったんだな」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「骨太マッチョ!(爆笑)」

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「ハハッ!(←少し呆れたような笑い)

 

一方、狭い酒場内をアクティブに動き回るSさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)と、K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)は協力し合い、リーダー格スケルトン戦士をなんとか打ち倒しました。

 

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「皆して狭いところで囲まれて今回はヤバかったわ~」

 

傷付いた冒険者たちはひと晩、村に滞在。翌日、ゼルド王の復活を阻止せねばならないと、早速ゼルド城跡へと挑むことにします。

 

 

――シーン3までが午前中に展開され、いったんお昼休憩に。1時間後、午後の部としてシナリオ後半が始められます――

 

 

■シーン4:城門前の怪異

DM「悪天候かつ不気味な雰囲気が漂う中、荒野の中にかすかに形跡が残る古い古い城までの消えかけた道を進んでいると、ごつごつした岩場がちな高い丘に行き当たりました。バルボーク村で話に聞かせられたゼルド城跡地です。自然の要塞然とした趣だったのでしょう、上を仰ぎ見ると丘の上に半ば崩れ去った城壁が見えるものの、断崖絶壁の周囲からはとても危なくて登れそうになく、丘の上まで続く一本道をひた進む必要がある地形になっていますね」

PY一同「周囲に気を付けながら、所々の岩陰を利用したりして、目立たないようゼルド城に向かいます」

DM「了解です。特に問題なく、上にたどり着きますね。目の前の最後の緩やかな坂道の先に、壊れかけた高い高い城壁を持つゼルド城があります。風化しつつある階段の上に、唯一の出入り口であるらしい半ば壊れた城門がありまして、まるで皆さんを敷地内へと招くように、少~しだけ開いたままであるのが確認できました。他にあるのは、女神か何かを模したと思われる古い銅像くらいで、見張りの兵士などはおらず、周囲は静まり返っています・・・」

ゼルド城跡近辺は、今まで以上に不気味な雰囲気に包まれていた...

 

PYの皆さんは目の前に組み立てられたバトルマップをよく観察してから話し出します。

 

PY一同「行くしかないので、警戒しつつ、坂道を上りますよ」

DM「了解です。では・・・まず、どの辺まで進みますか?」

PY一同「(やはりこれは何か起きるなという目をしつつ)一気には危ないので、この坂道(直線)を三分割くらいに分けて様子を見ながら進むことにしましょう」

 

フィギュアを三分の一まで進めるPY一同。

 

DM「では全員、難易度15で技能の〈知覚〉判定をどうぞ!」

 

全員、ものの見事に失敗します。

更にフィギュアを三分の二まで進めるPY一同。

 

DM「では全員、難易度15で技能の〈知覚〉判定をどうぞ!」

 

今度は半数以上が成功しました。

 

DM「皆さんは気がつきます。城門の横にある古びた銅像から奇妙な雰囲気がしたことに。よく見ると、像の目玉だけが生きている生身の目玉になっていて、ギョロギョロギョロとあちこちに視線を動かしているのです。で、そのギョロギョロギョロがスッと君たちに焦点が合ったかと思いきや、カッと見開いたのです!!」

PY女性陣「・・・怖ッ!(@ ̄□ ̄@;)!!」

DM「この魔法の像は、城の見張り役だね。侵入者を駆除する為の罠と連動してます。次の瞬間、ココとココ(坂道の両サイドに一つずつ飛び出している岩を指差しつつ)が割れて崩れ、人よりも大きな、巨大な昆虫モンスターが飛び出してきました。いま像の動きに気がついて警戒できたので不意討ちは受けません」

PY一同「なんだこのでかい虫は! フィギュアも気持ち悪~(-_-;)」

DMは能力値の〈知力〉判定で正体を知れることにします。すると、NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)のみが成功。

 

DM「この昆虫モンスターは、アンケグです」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「アンケグ!?」

 

冒険者一行は、前方と後方に出現したアンケグに挟み撃ちされる状況から戦闘を開始。

しょっぱなからSさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)が酸の噴霧(ブレス)攻撃を受けた上、続くラウンドでハサミ状の口による噛みつき攻撃も受けてしまい、つかまれた状態に陥ります。

ピンチかと思われましたが、だんだんと皆さんのダイスの目が光るようになり、敵側に次々とダメージを与えていく。ブレス攻撃ができる強敵と言うこともあり、HPは削られたものの、通常営業(?)的に難なく倒すことに成功しました。

巨大昆虫モンスターの姿形にも大嫌悪(^^;

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「なんか目が段々良くなってきた!」

DM「勘が戻ってきた感じ・・・?!(;゚Д゚)(←なんか嫌な予感)」

遂に事件の発端となった、亡者の巣窟へとたどり着く冒険者一行...!

 

 

■シーン5:王妃グラシェスとゼルド王

――冒険者一行は、アンケグに削られたHPを呪文などで回復させます。そして警戒を怠らないようにしながら、こっそりと城門をくぐり抜け場内に侵入していったのでした。

ゼルド城跡地、敷地内全体図

DM「城の敷地内は、瓦礫がたくさん広がっています。もとは中庭などもあったようですが、とうの昔に草花は枯れ果てており咲いておりません。小さめの城があったと思わしき場所も瓦礫の山があるばかり、建物自体は残っていませんでした。立っている物はと言えば、ほとんど崩れている、城や他の施設のなごりの壁ばかり。ただ、それらの瓦礫ですが、どうやらさらわれてきた村人たちがかなりの割合で片付けたようで、いくつかの箇所にまとめられ山になっていることを知ります。ちなみに城門の真ん前にもそれらがありまして、君たちはその陰に隠れていま中をこっそり覗きこんで確認しているところだったりします。さて、敷地内のいたるところから、つるはしやスコップで瓦礫をどかしたり地面を掘る音が響き渡っていることも分かります。あちこちに若い村人がおり、亡者たちの見張りと監督の中、ゼルド城の主であるゼルド王の骸を発掘すべく無理やり働かされているようでした。かなり離れていますが、一番奥の方に、大昔の古いデザインをした、ボロボロではあるが王妃の様なドレスを身にまとった大柄な女性――皮膚の色は青みがかっており、牙や角が生えている――がおり、場の様子を眺めていました。あれが魔人・王妃グラシェスであろうことは想像に難くありません。王妃の側にはペットらしき獰猛そうな大型犬も一匹います。亡者たちも村人たちもゼルド王捜索に熱心なあまり、君たちのことにはまだ一切気がついていないようでした。・・・さて、皆さん、どのように行動しますか?」

ゼルド王の亡骸を発掘するため強制労働を強いられる村の若者たち

バトルマップを見渡して、「ど真ん中を強行突破するべきか?」「村人を先行して逃がすようにすべきか?」「隠密行動を取りながら色々と調べるべきか?」「ゼルド王が甦らないようボスであるグラシェス王妃のそばにコッソリ近づいて真っ先に倒すべきか?」など、色々と意見を交わすPY一同。

案として、城門から見て右側(画像では手前の左端側)からなら敵も手薄の様だし、うまいこと王妃の方に無理なく向かえ、攻撃できるのでは、というものにまとまります。

 

意見がまとまり、さっそく行動に移る冒険者一行。

最初の区画にいた監視役スケルトン1体を、ダイスの出目の良さが光り、一撃で葬り去ることが出来ました。

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「おっ、これは! DM、この区画は他から見えてませんよね?」

DM「ハイ。壁で遮られてるし、他の区画の連中にはまだ気がつかれてませんよ」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「なら、この区画の村人たちに耳打ちします。私たち冒険者は村に頼まれてあなた達を救出に来たんだ。ゼルド王を復活させられる前に王妃のことを倒したい。いちいちその他もろもろの相手をしていては埒が明かないので、あなたたち、どこかあっちの方で大騒ぎするなどして敵の気を引き付けてもらえないだろうか?」

DM「おお、なるほど。(面白そうなのでPYの意見を尊重しようと、ちょっと考え込むDM)・・・じゃ、強制労働に嫌気がさしていた村人たちは喜んで協力を申し出てきます。『じゃ、オレたちは城門の左脇のスペースまで行って、大騒ぎを起こすよ。亡者どもをやっつけてくれよ!』」

 

DMはプレイヤー案をシナリオの展開にうまく組み込むことに決めました。

自由になった村人の一部が城門の脇まで行き大騒ぎを始めます(助け出した区画にいた村人のフィギュアをすべてそちらに移動させるDM)。

他の区画にいたスケルトン兵士達や王妃がそちらに気を取られ始めます。兵士を1体ずつ各区画に残し、スケルトン達は暴動を鎮静化させようとそちらに集合していきました。

戦闘遭遇の流れ~その1

戦闘遭遇の流れ~その2

 

戦闘遭遇の流れ~その3

戦闘遭遇の流れその4

戦闘遭遇の流れ~その5

魔人・王妃グラシェス(DM)「何をしているのです、早く大人しくさせなさい! 仕事を続けさせるのです! 殺してはなりませんよ、発掘には人手が必要なのですから!」

 

冒険者たちは右側の区画を進むルートで徐々に王妃グラシェスに近付きます。

しかし、王妃のいる場所の手前区画に残っていたスケルトン兵士がPC達にそのうち気がつき、戦闘が始まりました。それを見て、王妃のペットであるヘルハウンド、そして暴動を抑えに行っていたスケルトン1体が戻り参戦。

一進一退の攻防が続きます。

敷地内の様々な場にいた村人たちの多くがこれらの様子を見て事情を察したようで、勇気ある者は冒険者に協力しなくてはと、監視スケルトンの目をかいくぐり、最初に暴れ出した村人たちの元へと殺到しました。

慌てたのはスケルトン達です。殺すことは命令されていないし、かといって暴動はおさえられないしで、多勢に無勢、村人たちにもみくちゃに・・・。

数の暴力(;^_^A

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「これは数の暴力だ!」

一同「(大爆笑)」

 

この様な流れが執り行われつつ数戦闘ラウンドが経過したのち、DMは告げました。

 

DM「そうこうしているうちに、一番奥(全体画像右上の荷車の側)にいた村人が何かを掘り当てました」

PY一同「ギョギョΣ( ̄□ ̄|||)、それはまずいやつでは?!」

DM「ですね。錆びつきボロボロになった王冠をかぶっている、大人の男性の頭蓋骨です。それを見た王妃グラシェスが『おお、まさしくそれはゼルド王の亡骸! 王よ、我が愛する王よ!』と言って、凄い勢いで飛行して近づき、村人から頭蓋骨を取り上げると、奥の祭壇のような場所に舞い降りました」

 

眺めているわけにもいかず、冒険者たちは目の前の敵を倒すことに集中します。

どんどんダイスの目が冴えてきた一行は、ヘルハウンドと行く手を拒むスケルトンを倒します。

しかし、時すでに遅し。王妃の復活の接吻を受けた頭蓋骨は肉体があっという間に再生、魔人・ゼルド王は復活してしまったのでした。王妃よりも更に巨体の持ち主で、恐ろし気な鋭い牙に、長い長い角が生えています。

王妃グラシェスと蘇ったゼルド王、魔人夫妻。

魔人・王妃グラシェス(DM)「よくぞ現世に戻られました、愛しき王よ! この地を広く統治する時です。まずは我々を邪魔立てするあの冒険者どもを血祭りに上げましょうぞ!」

魔人・ゼルド王(DM)「美しき王妃よ、よくぞ我を救い出してくれた。共に冒険者どもを抹殺しようぞ!」

 

おぞましき古代の魔人夫妻が、冒険者たちに戦いを挑んできます!!!

本シナリオ最後の戦いだ!!

それまで取っていた戦闘での立ち位置も関係し、移動してきた王妃グラシェスは、SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)と小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)が、ゼルド王はNさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)とK子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)が、主に相手して戦うことになりました。

 

王妃の酸の噴霧(ブレス)攻撃とかぎ爪攻撃にHPを削りまくられるヨーリオン。なんとか援護攻撃を繰り出すスイミー

ダタクは仲間の攻撃力を上げる補助呪文で援護、ニコルは少しずつでも王のHPを削っていきます。

お互いに高いダメージが繰り出される戦闘が続く中、遂にSさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)のHPが0以下になり意識不明の重体に陥ってしまいました。

 

なかなか倒れない魔人2体に焦りを感じ出すPY一同。

 

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「あたしのターン。攻撃ロールでコロコロ~、あッ、クリティカル成功!!(∩´∀`)∩」

DM「(あ、きはじめたか・・・(-_-;))」

 

次のラウンド。

 

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「ダイスをコロコロ~、普通に成功!!ダメージは・・・15ポイント!!(∩´∀`)∩」

DM「王妃はもうだいぶ弱ってきてますね(普通の成功でも、そんな大ダメージ出るんかい・・・(-_-;))」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「スイミーさん、もう、やっちゃってくださいよー」

PY一同「やっちゃってくださいよー(ニヤニヤ)」

小⑤A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「よし、じゃ、ここで特徴の“怒涛のアクション”を使います。もう一度、攻撃ロール! ダイスをコロコロ~、またまたまた普通に成功!! ダメージは・・・16ポイント!!(∩´∀`)∩」

DM「仲間の魔法の力が付与されてるからとは言え、ダメージでかいね~。いや、それ以上に何という判定ダイス運の良さ・・・(;^_^A (←ヤッパリコウナルノネ)」

 

「うぎゃぁ~」王妃グラシェスは絶命します。

そして、ダタクの回復魔法キュアウーンズで、HPが戻り目を覚ますヨーリオン。ニコルの活躍でかなりHPを削られていたゼルド王に、復活したヨーリオンの呪文攻撃がさく裂すると、ゼルド王も力尽きたのでした。

 

DM「ゼルド王は『せっかく現世に舞い戻れたと言うのに・・・無念だ・・・』と言い残すと、王妃ともども骨に戻り、そして粉々の土くれになってしまったのでした。村人の数の暴力に成すすべもなく振り回されていたスケルトン兵士たちも、パワーの源である主たちが滅んでしまったので、やはり粉々に砕けて消え去ってしまったのです(←と言うことにした)」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「倒せてよかった・・・」

DM「せっかく令和の世に復活できたのにぃ」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)&SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「フォーゴトン・レイワにね!」

一同「うまい!!(大爆笑)」

"フォーゴトン・レイワ"に大爆笑ꉂꉂ(๑˃▽˂๑)アハハハッ!!

 

■エピローグ

亡者たちを葬り去ると、周囲に漂っていた恐ろし気で怪しげな気配はすべて消え去ったのでした。冒険者たちの活躍により、魔人やその配下の亡者たちは再び深い眠りについたのです。強制労働に駆り出されていた若者たち全員を無事に救い出し、事件を解決したことから、冒険者たちは村々に深く感謝されたのでした。

 

 今回入手した経験点:一人863点

 財宝類:報酬一人150gp

 

………to be continued !!

 

今回Nさんに頂いた"しそジュース"。美味しくいただきました。ありがとうございました。