今回のレポは番外編です――。
内外問わず以前から「息子さんもTRPGに参加させてあげたらどうです?」「パパが好きなことだし、お姉ちゃんも遊んでいるのだから興味を持つのでは?」と話が出ていました。確かに例会時、興味を示している素振りはありました。が、あまりにも小さすぎては難しすぎたり(字も読めないし計算もできない)、意味も分からずにすぐ飽きてしまうのではと危惧したこともあり、しばし様子を見ていたのです。そして今年、小学校に入学したこともあり、本人に聞いてみることにしてみました(お姉ちゃんの時と同じように)。すると二つ返事で「D&Dやってみたい!」とのこと。
例会に参加する前に、お姉ちゃん(スイミーのプレイヤー)に協力してもらいお試しプレイをしてみようと言うことになりまして、本日(2024年4月21日(日))3人で遊んでみたものです。
尚、事前にしておいた、「テーブルトーク・ロールプレイングゲームとは何か?」の解説、「プレイするのに用意した物(ひらがなで書いたテストキャラ)」などなどは、以前blogにあげたお姉ちゃんのD&D(TRPG)初プレイの時とまったく同じ内容(“番外編レポ 小①D&Dの大地に立つ!”参照)。
驚いたのは、ラウンドやターンなど、(ルールについては説明しなかったのに)「多分こう遊ぶんでしょう?!」と専門用語をポンポン出して逆に解説してきます。さすが現代っ子、TVゲームやカードゲームは身近なものですし、何より小学校高学年になったお姉ちゃんとTVゲームのRPGをちょくちょく一緒に遊んでいたので、(もちろん大まかなところでですが)話が早かった・・・!
最近はアニメで放映してる“ダンジョン飯”にはまっており、「チルチャックみたいなキャラをやりたい! 戦いのとき弓矢で後ろから仲間を応援するやつをやりたいです!」と、マイキャラの希望も前もって考え伝えてきていました。なので、今回のテストキャラは弓矢攻撃を得意とするローグにしたものです。
第1章 木こりの一家を救え!
DM「君たちは旅の冒険者です。ある日、立ち寄った小さな村の酒場にて休憩していました。すると息せき切って、外から数人の村人が入ってきます」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「お、なんだろう?」
DM「狩人達らしい。で、ゼーゼー言いながら、酒場にいた面々に伝えます。『大変だ、ゴブリンが出た! 急に襲われてな!!』『それは大変だったな!! それでそいつらは?!』『まだ森にいる。それで木こりの一家が捕まっちまって、大変なんだ!』『なんだって?! ど、ど、どうする・・・?!』」
真剣に話に聞き入るPL二人。
DM「さて、君たちはどうしますか?」
小①TくんPCローグ「助けに行く!」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「これは名乗り出て、行くしかないっしょ!」
DM「では村人たちは、『おお、あんたら冒険者で、強そうだな。ゴブリンどもをやっつけて、木こりの一家を救い出してくれよ!』と頼んできました」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「了解。まかせて!」
DMは事前にテーブルに広げていたバトルマップの状況を説明します。「森をしばし進むと小さな広場があり、そこに木こりの家、荷車とトイレ小屋がそれぞれありました」と。
小①TくんPCローグ「家のドアに行って、バン! と開ける! 向こうにゴブリンがいて、顔ぶつけてビックリするかも!」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「突っ込んでいくんかい?!」
DM「いやいや、ちょっと待ってね。まずは、広場に入ったすぐのところから話は始まります。二人とも、技能の〈知覚〉判定をしてください。難易度は10で良いです。これはたどり着いてすぐ小屋の方や周囲の様子を見て、何か聞こえて来たかどうか、小屋の方はどのような雰囲気か感じ取り確認したことを意味します」
小①TくんPCローグ「ああ・・・耳を澄ますんだ~?(←耳に手を当てる仕草をする)」
DM「そうだね」
小①Tくん、行為判定にはすべてにおいて20面体を振ると言うのはしっかりと認識しており嬉々としてダイスを転がします。キャラクターシートの数値確認、計算はお姉ちゃんがお手伝い(←プレイ中すべてにおいてメチャクチャに助かりました!!)。
二人とも高い目を出して成功。小屋の中からゴブリンらしい声や、かすかに人間の抵抗する声が聞こえてくることに気がつきます。
二人は急ごうと小屋へと向かおうとしますが、動き出す寸前ちょうど外に出ようとしていたゴブリン3体が出入り口から姿を現し、お互いの存在に気がつきました。
イニシアチブ判定をし、戦闘ラウンド開始です。
いつものように前衛たる小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)が切り込み隊長でどんどん前進。敵の真ん前へ。
小①TくんPCローグは念願の弓矢攻撃で後方から援護します。
小①TくんPCローグ「戦士が囲まれてる! 戦士の前にいるやつに弓矢を撃ちます!」(←ジェスチャーで弓矢を構えるふりをしている)。
広場にたどり着いた時にはやってみたいことを後先考えずに宣言していましたが、戦闘になると状況を見て仲間のことも考え行動してくれています。
小①Tくん、自分のキャラで1体倒すごとに大喜びで歓喜の声を上げていました。
小⑥A子さんはいつにも増してダイス目が光り、自ターンの2回に1回の割合くらいでクリティカルを連発。
最初の3体、後続で出てきた3体のゴブリンを、ふたりはほぼ瞬殺(DM(;^ω^)ヒィィィ)、DMに反撃の余地を与えませんでした。
DM「木こりの夫婦はロープで縛られています」
小①TくんPCローグ「助けないと」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「あたしの剣でロープを切ってあげますよ」
DM「二人は『ありがとう!』と感謝の言葉を述べ、そして告げてきます。『君たちは冒険者だろう? 森の奥にある昔の砦跡に最近、このゴブリンどもが棲みつき始めたようなんだ。そこがやつらの本拠地だ。やつらのボスの一派が、うちの息子をさっきさらって行ってしまった。なんとか子供を助け出して欲しい!!』
小①TくんPCローグ「子供が誘拐されちゃったの?!」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「人質にして村に何か言ってくるとかかな? こりゃ助けに向かいますわ。早くいかないとまずいね!」
■第2章 子供を救え!
いそいそと広げていた物を片付け、次なる場面を用意するDM。小①TくんはDMのマスタースクリーンの裏側が気になる様子。
DM「これはゲームのお話や、秘密の地図、敵のHPや攻撃の値が書いてある用紙がプレイヤーに見えないように隠すものだよ。もし、それが皆に見えていたら、次にどうなるのかとか、敵の正体がバレちゃって、ゲームとしてつまらなくなってしまうでしょう?」
小①TくんPCローグ「ふーん。そうなんだー」
話をしながらDMは用意していたマップを広げて、PCのフィギュアを配置します。
DM「ここは木こりの小屋のさらに奥、深~い森の中で、大昔の戦争で使われた砦跡です。昔の戦争で滅んでしまったもので、時間がかなり経ったこともあり、ボロボロだね。天井はあるけど、壁は色んな所が崩れ去り、扉は壊されて床に横たわっています。いたるところにボロボロに錆びたり折れた剣や槍、鎧なんかが転がっています。先程と同じく技能の〈知覚〉判定を行ってください」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「あたしだけ成功!」
DM「では、建物の中を仕切っている壁の向こう側から、ゴブリンがなにかブツブツ話し合っている声と、子供のシクシク泣く鳴き声がかすかに聞こえて来ました。おそらくここに勝手に棲みついたモンスター住人は、奥に集まっているようだよ」
小①TくんPCローグ「よし、じゃっ、そっと進んで行って、奥の部屋の手前の壁のところからチラッと奥を覗き込んでみようかな」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「そうしよう。そうします」
PC達のフィギュアを部屋の手前まで移動させます。ボスゴブリン1体、配下のゴブリン5体を確認(←PCが見える範囲に来た時にDMがフィギュアを配置。)
PC達が不意打ち攻撃に成功したことにするとDMは伝えます。二人は物陰から弓矢攻撃を開始。小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)のみ成功し、部下1体を倒します。
改めてイニシアチブ判定をして戦闘開始。
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)が前に立ち、次々とやってくる前衛ゴブリン2体を防ぎながら近接戦に挑みます(残り2体はボスを守っており動かない)。
それを見ていた小①Tくんは何か考えたようで、「通路を戻って、この部屋の反対側の出入り口に回ります。そこから弓矢で(ボスやボスを守る護衛ゴブリンを指差して)攻撃します!」と宣言しました。
自分なりに優位になる展開を生み出そうとしているようです。
2ラウンドかけて小①TくんPCローグは裏側に回り、宣言通り、スイミーが相手をしていない残りの敵へと弓矢を浴びせかけだしました。最初はボスに攻撃すると言ったのですが、ボスの手前に壁があり見えていないので当てられないとDMが告げると、「壁があったら見えないし、当たらないもんね。そっか!」と納得します。
目標を変更し、改めて見えているボス前の部下ゴブリンを攻撃。
小①TくんPCローグの出目の良さ、そして恐ろしいくらいにクリティカル攻撃を連続で繰り出す小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)の活躍により、下っ端たちはあっという間に地面に崩れ落ちます。
最後に残ったボスゴブリンは、執拗に弓矢攻撃を繰り出す小①TくんPCローグに近付きました(こちらの方が距離も近かったので)。ボスはそれなりの命中率を持ち、それなりのダメージを出せることから、初めて敵にダメージを食らう小①TくんPCローグ。
これはまずいと小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)は2倍移動で応援に駆け付けます。
変わらず順調に攻撃ロールに成功するふたり。徐々に相手のHPを削っていきます。
最後の一撃は、小①TくんPCローグによるもので、ボスゴブリンは断末魔を上げながら後ろに倒れたのでした。
小①TくんPCローグ「やったー! やっつけたー!!\(^o^)/」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「まぁ、ゴブリンは初心者向けで、大した強さじゃないしね┐(´∀`)┌」(←クールなセリフを口にしてみせる)
DM「君たちは掴まっていた子供を介抱しました。『冒険者さん、助けてくれてありがとう。僕の名前はティ(T)ローと言います』」
盛大に吹き出すPLふたり。
小①TくんPCローグ「なんで僕の名前にそっくりなんだ~?!(爆笑)」
小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「ぜってー、いま行き当たりばったりに思いついたんでしょ、その名前~!(大爆笑)」
DM「( ´艸`)こうして君たちは無事に木こりの一家を救い出し、村に悪さをするゴブリンどもを倒したのでした。めでたしめでたし!!」
■エピローグ・感想会
DM「D&Dとか、TRPGってこういうゲームなんだよ。わかった?」
小①TくんPCローグ「うん、わかった。楽しかった~!!(^^♪」
DM「自分でオリジナルのマイキャラを作って、それをレベルアップして育てて行ったり、今回はあまりできなかったけど、他のキャラ達と色々冒険のやり方や進め方について話し合って実行していく楽しみもあるんだよ」
小①TくんPCローグ「最初の戦いの時みたいにならないように?」
DM「そう」
小①TくんPCローグ「例えばいきなりドアの前に行って開けないで、トイレ小屋や、荷車みたいなやつの陰に隠れて、どうなるか様子を見たり、そこから隠れながら弓矢を撃ったりするとかでしょう?」
DM「そう! その通りだね。そうやって、仲間と協力したり工夫してお話を進めたりするんだね」
様子を見ている限り、冒険者グループで相談して決める流れがややまだ理解できていなかったようでしたが、ちゃんとやりようを解説しながら、次回からはこうしていけばもっと良いかもね、と伝えていけば十分やり方を覚え、皆さんに交じって遊べて行けるように感じたものです。
初プレイでしたがかなりスムーズにプレイを行えましたし、お姉ちゃんもDMも、実に楽しめました。
………to be continued !!