いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第37回:2024年4月28日(日)〈後編〉

プロローグの〈後編〉です

 

■お昼休みの感想会

見学参加の方全員から即出た話題は「D&Dに参加してみて楽しいです!」と言うものでした。

傍から見ていても、5版の統一感有る、かつ直感的に分かりやすいルールが見学者の皆さんにすんなり伝わっていましたし、「分かりやすく遊びやすい=楽しいの構図に繋がっている」のは明白でした。うちの小学生の子供たちでさえ周囲に教えてもらえればすんなりプレイに参加して一緒に楽しめるくらいですもんね(勿論すべて理解できているわけではないですが)。

かといって簡単すぎて奥行きがないという訳でもない。「例えば同じクラスでもバリエーションがいくつも作れて、同じ雰囲気のキャラにはならないんですね」とも口にされており、システムにその懐の深さが感じられるような趣旨の感想も口にされていました。

D&D5版の放つ魅力が遊んだ人を虜にする何かを確実に持っていることは確かだと感じられたものです。

 

「どうもD&Dって古参の方が多くいて、ミニチュアなども必須で大変そう、難しそう、と言う印象がありました。で、興味はあったんですが、じゃぁ、どこから取っかかればいいのか分からない感じもありまして・・・というのも正直なところです」と言う意見も口にされていました。

「必須ではなく、僕なんかも昔は方眼用紙にマス目を書いて、消しゴムやダイス置いて敵・味方に見立てて、それだけでやってたんですよ。別にそれでも遊べます。ただ、まぁ、程度の差はあれど、色々集めてこうして冒険者が活躍するシーンの風景をミニチュアで作って実際にプレイすると・・・めちゃ面白いですよね?」

「ハイ! もう、これはすごく見ていて楽しいし、自分のマイキャラをどこにどう動かすか考えたり、実際にマス目の中を動かしていくのがすごく面白いです! この方が臨場感あって分かりやすいし、これでやっていったら沼なのも分かりますよ!」と、お二人ともに深くうなずいておられました。

 

いわきD&D同好会の元からいるみなさんや場の雰囲気にもすぐに馴染まれており、「今後、参加希望します」とも即おっしゃっていただけた次第です。

そしてお昼の時点(!)で、早速、日本語版D&Dシリーズのプレハンや諸々の商品を探して購入すると張り切られていました(^^♪

 

――有意義な会話に富んだお昼休みを終え、午後の部、シナリオの続きが開始されます。

 

 

■シーン4.大型帆船イザベルナ号を守れ!

DM「先日の屋敷襲撃の件から、豪商エドワードの身の回りの人々はピリピリし始めています。冷静沈着な執事ドンペリエもいささか顔色が悪く、君たちに『エドワード様に何かあったら大変なので、街にいる間は護衛に付いてもらえませんか?』と懇願してくるほどでした。それもそうだと護衛を買って出て、きみたちは豪商エドワードを守る為、彼の周囲に気を配っています。『あと二日ほどで出発できますよ』とエドワードの配下の船乗りから連絡が来たその日は、街や港に深い霧が立ち込めている悪天候の日でした。深い霧の中、エドワード立会いのもと、大型帆船イザベルナ号への物資搬入最終点検を済ませた君たち一行と船乗りたちはいったん屋敷や自宅に戻ることにします。帰路についていたその途中のこと。街のメイン通りを歩いていたエドワードが急に立ち止まりました」

PC一同「ん? どうしたんですか?」

DM「酷くエドワードは心配そうな表情で言います。『変な胸騒ぎがする。いま、船にはほとんど人がいないはずだ・・・なんだか嫌な予感がしないかね?』」

PC一同「まさか、やつらに何かされるとか?(←PL間にも不穏な空気が流れる)」

豪商エドワード「皆さん、すいませんが、戻りませんか?」

 

PL一同、意見を出し合います。

「戻るなら、一緒に連れて行った方がイイよね?」

「でも、戦闘に巻き込まれたら逆に危ないよね?」

「だが、我々だけで行ってしまったら、エドワードさんの守りが手薄になるのでは?」

「確かに。でも、こんな風にまごまごしていて船に何かあったらまずいよね?」

「(以下、云々かんぬん」」

 

DM「(救いの手を差し伸べる)えっとですね、軍から派遣されている護衛兵が二名くらいいることにします。屋敷も見張りが多くいるし、エドワードさんは大丈夫かな、と思われます」

PL一同「それなら話は早い! DM、我々だけで港に逆戻りしますよ!」

 

――冒険者たちは、夕暮れ時なうえ霧も深いことから、かなり薄暗くモヤっとした見にくい風景になっている港に舞い戻ります。先ほど教えてもらったエドワード所有の倉庫事務所のすぐそばまで来ると(バトルマップにマイフィギュア配置)、船着き場は他の人々も引き上げていたようでシーンと静まり返っていました。人影は皆無。いや、少し離れた場所にある大型帆船イザベルナ号のそばに、いくつかの動く影があり、イザベルナ号の中(?)に消え去ったように見えた気がしました。

 

小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「ヤベェ感じ。船が壊されたりして!」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「人数とか、様子とか、もっと何か見えませんか? いるんなら破壊工作を防がなくては!」

DM「霧が深くてね、もう少し近づかないと分かりません。では皆さん、戦闘ではないですが、まず1ラウンド掛けて移動力で進めるだけ進めることにしましょう」

 

指示に従いマイフィギュアを進めていく面々。しかし、AさんPCウィザード(今回は名前なし)に順番が回った時、Aさんがアイディアを披露します。

 

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「オレはこの場にいて、使い魔のアウル(フクロウ)を、飛ばして良いですか? それで船の上空から偵察をします。視覚同士がつながっているので、アウルが見たモノが、ウィザードにも見えるんですよね」

DM「う?! ・・・そ、それは想定外!(^^;」

PL一同「(超大爆笑)」

DM「(少し考えてから)良いでしょう、アウル飛ばしてください」

 

AさんPCウィザード(今回は名前なし)は、使い魔に見立てた赤い6面ダイスを使い、アウルの移動力ぶんコマを船に近付けて偵察させます。

 

DM「するとですね、マストに一人、機関部への出入り口に一人、こっそり様子を窺いながら侵入して何かを始めようとしている二人の船乗りが居ました。例のイレズミがあることから、明らかに女海賊メアリン・リードンの配下と知ります。そいつらはいくつもの工具を持参しており、のこぎりやらペンチ、ハンマーなどなどを手にし始めていました」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「ヤバい! やっぱり破壊工作に来てた! こうなったら、大声で仲間に叫んで教えますよ!」

DM「では皆さん、戦闘開始です。今度はイニシアチブ判定をして順番をきっちり決定しましょう」

 

このイニシアチブ判定の偶然決まった順番と、海賊2体が相手だから早く船に乗り込まなくてはとこのシーンの目的を想定した冒険者一行の行動が、ピンチを招くことになります。

先行して港と船をつなぐ渡り板を進む途中で移動力がなくなったS子さんPCファイター(今回は名前なし)、海の一歩手前までやってきて立ち止まったAさんPCウィザード。そのラウンドの終わりに、屋敷襲撃の際に聞かれた謎の魔の笛の音がまた聴こえ始めたのです。聞こえて来た場所はエドワード所有の倉庫事務所の陰の方からでした。

 

カニカニカニカニカニカニ~♪

 

DM「するとですね、海の中からすごい勢いでワラワラと何かが上に登ってきました。船の側面やら、港のふちの部分を使って。あがってきたのは無数の巨大なカニです。ジャイアントクラブ!」

 

カニ鍋だ!」「カニ料理だ!」と笑い合うPL達ですが、まさか大ピンチに陥ることになるとは・・・。

DMにとって使い魔アウルが想定外だったように、PLにとってここまでの数のジャイアントクラブがPCそれぞれのすぐ目の前まで来て取り囲むとは思ってもいなかったようで、全員がバラけていた上に1レベルキャラがダイレクトにボカスカとタコ殴り(カニだけど)攻撃を受ける羽目になってしまったのです。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「ああ、あっという間にHPが2!!」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「オレのも同じくHP2です!!」

 

(©S子さん提供画像)

 

更に場を混乱させる展開をここでDMは起こします。エドワードの港倉庫事務所から、海賊が手に色々なモノを持ち、逃げていったとPL達に伝えたのです。

PL達の直観が告げます。何か大事なものが盗られたに違いないと・・・!!

ややパニック気味になる一同・・・。

 

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「アウル飛ばして、海賊の様子を見ます。どこに行くのかも確認します!!」

DM「これまた想定外・・・(;^_^A するとですね、彼らが手にしているのは先刻、君たちも商人に見せてもらったとても大切な航海道具類でした。エドワードのもとで働く優秀な船乗りたちが数年がかりで作り出した恐怖の島への航海地図の他、コンパス、六分儀などなど、恐怖の島へ間違わないようにいく為の道具が持ち出されたのです。あれが無くては航海に出ることは先延ばしになってしまうかも知れません。君たちにとって非常にまずいことになります! ブツを持って逃げているのは、フード付きの茶色いローブを身にまとった横笛を持つ女、あとは海賊二人の計3名です」

 

本気で焦り出すPLの皆さん。

文章化するとあまりにも長くなるのでカットしますが、手を焼いたものの、冒険者たちは連係プレイでなんとか危険を乗り越え巨大ガニを駆逐、逃げた海賊をすぐに追いかけ始めたのです。

 

下水道通路の先で見たものは・・・

 

■5. 下水道の怪物

DM「想定外の使い魔アウルの大活躍で、大丈夫です、逃げる海賊たちのことは見失っていません。海賊たちは港を駆け抜けると、港の下へくだっていく階段を駆け下りていきました。そして下水が外の海に流されている巨大な横穴へと入って行ったのです。余裕で大人が2、3人横に並べるくらいの大きく人工的な穴です。君たちは中を覗き込みます。遥か奥の方に、走って逃げていくランタンの光が見え隠れして、消えました。おそらく下水通路の曲がり角を折れたのでしょう。距離や方向は大丈夫。じゅうぶん追いつけるはずです。噂ではこのウォーターディープの街の地下には地下水路が縦横無尽に張り巡らされていて、巨大なダンジョンのようになっていると言うことでした。広いダンジョン、今逃がしたら、二度と捕まえられないかも知れません」

PC一同「(ダタクがライトの呪文を使うことを宣言。明かりも得たので)その真っ暗な地下下水道の通路を走って追いかけます!!」

DM「ハイ、了解です。君たちは異臭の漂う地下水路に足を踏み入れたのでした。走って行ったところ、『ギャーッ!!』と暗闇をつんざくような男性二名の悲鳴が聞こえます」

PL一同「は? え? え? 何が起きたの? 海賊にも想定外な出来事が・・・?!」

DM「おそらく逃げていた海賊の手下だと察しを付け、何事が起きたのかと声のした方に歩み出ると、そこは下水路のまじわる巨大なホールの様な空間になっていました。そこに団子の様な姿をした、身の丈数メートルもある様な巨大モンスターがおり、海賊ふたりが触手に掴まれて呻いています。『た、助けてくれ~!!』彼らの手には君たちが取り戻そうとしている物が掴まれていたのですが、あっという間に海賊ごと怪物に飲み込まれてしまったのでした!」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「うわっ。あのモンスター倒して、腹かっさばいてアイテムを取り戻さなくちゃいけないやつ?!」

DM「いや、よく見れば、かろうじて怪物の歯と歯の間に挟まっているではないですか、盗まれた全部が。ただ、早く取り戻さなくては飲み込まれてしまうかもしれない!!」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「(苦笑)。しかし、何という怪物だろうか。もう一人の海賊は?!」

DM「するとですね、怪物の向こう側、更なる奥の通路につながる入口に、その人物がいました。茶色いフードをぱさりと取り、顔を見せて、怪物と君たちを睨みつけます。『こんな巨大な化け物がいるとは想定外だったよ! チッ、仕方がない、今回はこいつにあんたらの相手をしてもらうことにして、この女海賊メアリン・リードン、大人しく引き下がることにしよう! ウルフも、大切な客人の相手をしてやりな!』例の怪しげな笛を吹くと、女海賊メアリン・リードンはそのまま走って逃げて行ってしまいました。きみらとはまた別の通路から、ダイアウルフが1頭、飛び出してきます」

PL一同「置き逃げかよ!!」

DM「ペットは正しく飼いましょう」

小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「・・・・・・┐(´д`)┌」

小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)「・・・?」

 

巨大なモンスターはアティアグ。地下・下水道のゴミを食べて生きながらえている醜いモンスターです。アティアグの仲間ではないものの、冒険者の敵に変わりはないダイア・ウルフ。

どう見ても、どちらも強敵です。PLたちはイニシアチブ判定をしながら、どうするか相談し合いました。

結果、ふた手に別れ、それぞれを相手することにします。

 

本シナリオ最後の戦いだッ!!

 

さすが切り込み隊長の小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)、アティアグに真っ先に猪突猛進、突っ込んでいき、高い目の攻撃ロールやダメージロールを出します。続いてそれに感化されたのか、小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)も高い目を連発。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「20クリってこんなに出るもんなんだ・・・Σ( ̄□ ̄|||)」

 

ダイア・ウルフの相手をする、K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)と、AさんPCウィザード(今回は名前なし)の活躍により、どうにかこうにか、先にダイア・ウルフを倒します。

 

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「しかし、HP2になったり、攻撃呪文のダメージで、出目2を連続3回出すとは・・・オレって・・・(^^;)」

 

このシナリオのボス・アティアグ。さすがのHPの高さ、なかなかに倒れません。そのうち、触手による攻撃を連続で受けてしまった小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)のHPがゼロに・・・!! (小⑥A子°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°ワー)

同じく隣で彼女を助ける為に接近戦に挑んでいたNさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)も、攻撃されたり掴まれたりしてついには・・・。

 

PL一同「切り込み隊長と、癒し手が動けなくなって、大ピンチだ!」

 

残された全員で、呪文攻撃と遠隔武器攻撃で必死にアティアグのHPを削り、二人が死亡する前に辛くも巨大モンスターを屠ることに成功したのでした。

「ワーッ!!」とPL一同に歓声が上がります。なんというグルーヴ感~♪

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

 

 

■プロローグの終わり

DM「女海賊メアリン・リードンには見事に逃げられてしまいます。しかし、大型帆船イザベルナ号の破壊工作は未然に塞がれました。君たちは霧の中の出来事、地下水路での出来事を豪商エドワードに説明、大切な品々を返します。彼は目頭を熱くさせながら、再び何度も何度も感謝の言葉を口にしてきました。『これからもドンドン頑張ってくれたまえ~(`・ω・´)b』」

PL一同「信頼と同時に、彼からの期待値が急上昇しまくっていきますね~(;^_^A」

DM「(笑)。さて、ついに船出の日が訪れます。豪商エドワード・バルバロッサ、彼の忠実な執事ドンペリエ、そして君たち冒険者が乗るこの大型帆船イザベルナ号が、多くの人々に見送られながらウォーターディープの港を発ちます。君たちは恐怖の島で、果たしてどのような出来事に遭遇するのでしょうか・・・?!」

 

(次回・第1章につづく)

 

 

 今回入手した経験点:一人600点

 財宝類:残念ながら無し

 

 次の3人は“5レベル”にレベルアップ!!

  小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)

  NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ

  K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)

 

 次の3人は調整のため自動的に“2レベル”にレベルアップ!

  小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)

  S子さんPCファイター(今回は名前なし)

  AさんPCウィザード(今回は名前なし)

 

………to be continued !!