いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第37回:2024年4月28日(日)〈前編〉

“恐怖の島” D&D同好会2024version 始動!

 

新年度に切り替わってすぐのこと。ありがたいことに「メンバー募集告知を見ました」と、成人女性の方と同男性の方、同時期に計2名の方から見学参加希望の連絡をいただきました。今回の定例会は、前回の番外編でも登場した(Master宅の)小①Tくんも交えて、D&D5版・初心者御三人にまざってもらっての例会となったものです。

と言うことで、今回の参加者は、いつものNさん、小⑥A子さん(←6年生にレベルアップした!)、K子さん、Master、見学参加希望の、S子さん、Aさん、小①Tくんの、計7名に。

DMは、Masterが担当。

プレイ時間は、10時00分~15時00分でした。(その前の段階で、ルールについて簡単にレクチャーさせてもらったものです。)

 

PYの持ちキャラである、PC達の名前やクラス、そして冒険者パーティ編成(役割分担)は次の通り。元からいた面々は全員4レベルキャラ。初参加のお三方は、いきなり高レベルからスタートでは不慣れなことからルール面でも不安であろうと言う配慮から、ひとまず1レベルキャラで遊んでもらうことになりました(但し、何回かプレイした後に、元からいた面々と同じ4レベルに早い段階で再調整、それでプレイバランスを取りましょうと言う話に)。

 

◆前衛(近接攻撃班)

 小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)

 S子さんPCファイター(今回は名前なし)

◆補助(回復&補助魔法班、近接攻撃の第2班)

 NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ

◆魔法(後衛)

 AさんPCウィザード(今回は名前なし)

◆後衛(遠隔攻撃班)

 K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)

 小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)

 

――前置きが長くなりますが、久々にキャンペーンシナリオをやろうと意気込み始めたわたくしMaster。令和の世にはもう懐かしい商品となった日本語版・初代D&D青箱付属の“恐怖の島キャンペーンシナリオ”をもう一度遊んでみたいと以前から思っていたこともありまして、今回自分流にアレンジして5版に流用することにしたものです。

コツコツと作業を続け、第1話の用意も完了。あとは例会の日程を決めて・・・と言う段階に来て、見学参加のお話が舞い込みました。今からまったく別の初心者向けミニシナリオを一から用意するのも大変ですし、かと言って「今までを分かっている人たち(内輪ネタ)がやろうとしているキャンペーンにいきなり組み込むのは大変失礼ではないか?」と悩みまして。思い切って、いきなりお話を始めてしまう予定でいた第1話を使うのをやめ、その前日譚である1レベルキャラにも対応可能な「用意していた設定を色々と流用したプロローグ編」を急遽用意した次第です。

完全に余談になりますが、今回のプレイを通して、それが今回のキャンペーンに深みを持たせられる結果にも(偶然)つながったと感じたものです。

 

今回から始まるキャンペーンは、“恐怖の島”を流用、完全にアレンジしたシナリオですが、少しでもネタバレを避けたい方(これからプレイしようとされている方)はお読みにならない方が良いかもしれません(プレイ後、推奨です)。

 

物語は壮麗なる都“ウォーターディープ”から始まります

 

“恐怖の島” いわきD&D同好会2024version

 プロローグ〈ウォーターディープの豪商〉

 

■シーン1.豪商エドワードとの再会

DM「君たち冒険者パーティは今、“壮麗なる都”とも呼ばれるウォーターディープと言う名の巨大都市に来ています(プレイ中に行ったこの後の世界設定説明は長くなるので割愛)。君たち(←今回の6名は以前から冒険仲間をしていたと設定追加)はこれまでの旅の途中で、この都市に住むとある商人と知り合いました。名前はエドワード・バルバロッサ。40代・人間の男性です。彼はいわゆる豪商で、近隣の町や村に手広く商売の手を広げており、それを理由に悪党から命を狙われたりしていました。ある頃、旅先で犯罪者の手により命を落としそうなっていた彼を救い出し、それを切っ掛けにしてえらく君たちは彼に気に入られてしまったのです。『いつかウォーターディープに訪れることがあったら是非とも我が屋敷に遊びに来て欲しい。冒険話も聞かせて欲しいし、逆にこちらからも君たちが興味を示すような冒険の依頼をできるかもしれないしね』。新しい冒険を求めていた君たちは、彼の屋敷の場所を調べ出し、今日やってきたというところです。目の前には今まで見たことのないような巨大な庭が広がる、大金持ちでなくては住めない大邸宅があります。大きな鉄製の門の前には、いかつい顔をした見張りの兵士(おそらく雇われている人間)がふたり立っていました。やってきた君たちを何やら怪しげに睨め付けていますね」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「身なりとかいかにも風来坊の冒険者ですしね。ではここは、貴族出身のオレが話しかけましょう。DM、事情を説明し、エドワードに面会を求めます」

DM「皆さん、技能の〈看破〉を難易度15でお願いします」

 

ダイスをコロコロコロ~。全員20面ダイスをロールします。成功者あり。

 

DM「するとですね、何だか見張りのお二人、完全に皆さんを怪しんでいますね。ただ、貴族風体のウィザードをしげしげと見ながら『こういう人物がいるならまぁ仕方がないな』と言う感じで請け合ってくれ、渋々ひとりが奥の屋敷へと知らせに向かいました。残った一人は槍を握りしめ、先ほどよりさらに厳しい目つきで君たちを見張っている様子です」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「なんだろうか・・・」

 

DM「大邸宅から、執事らしい服装の人物が早足でこちらにやってきました。見覚えのある顔です。悪人に殺されかかっていたエドワードと共にあの時ピンチに陥っていた執事のドンペリエと言う30代の男でした。冷静沈着で生真面目、経理にうるさいどこか冷ややかな雰囲気は相変わらずです。彼はえらく感激した顔で、君たちに深々と頭を下げました。『おひさしゅうございます。あの時は大変お世話になりました。エドワード様も、皆様が来られたことを知ったら大喜びされることでしょう! さぁさぁ、中にお入りください』彼は何度も頷いています。『本当に知り合いだったとは!?』と、兵士二人は気まずそうな顔で門の両脇に立ち直し、街の方へとそっぽを向けてしまいました」

PC一同「((・∀・)ニヤニヤ)」

DM「屋敷の応接間に案内され、しばし待つと、けたたましくドアが開け放たれ、ひとりの男が現れます。あの時助けた、商人エドワード・バルバロッサです。貫禄ある顔や滲み出す高貴な雰囲気、そして身にまとういかにも大金持ちの商人風の服装、あの時と変わりないそのいで立ち、彼であることに間違いありません。すると。『ああ、何と言うことだ! これはまさしく神が引き合わせてくれた運命の再会に違いない!! 君たちはまた私のピンチに駆け付けてくれた!! 神よ、感謝致します!!』と、大げさに両手を上にあげ、謎のセリフを声高らかに口にしますね』

PL一同「なんだなんだ、急に始まったぞ~(苦笑)」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「エドワードさん、お久しぶりです。いやはや、何の話ですかな? 詳しくお聞かせ願えれば、力になれなくもないと思いますが」

豪商エドワード(DM)「さ・す・が、ダタク君! 話が早―い! さすが私を助け出してくれた恩人だ!(DM、右手を額に当て、涙ぐみ感激したジェスチャーをして見せる)」

PL一同「この商人、こういうキャラの人なんだ~(爆笑)」

DM「エドワードの話とは、こういう物でした。『私は数年前から国の許可を得て、大きなプロジェクトを進行させていてね。冒険家である兄のロバーツと共にその仕事をしているところなのだよ。君たちは海の向こう、このウォーターディープから船旅をすること二十日ほどの場所にある、“恐怖の島”という名の未開の島を知っているかい・・・?』。ということでみなさん、難易度15にて能力値〈知力〉か技能〈自然〉判定をお願いします」

 

ダイスをコロコロコロ~。全員20面ダイスをロールします。K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)のみ成功。

 

DM「噂に聞いたことがある。南の方の海、熱帯地方に、大昔からある島だとか。古代の人々が残した遺跡や財宝、その後に訪れた海賊や冒険者の残した遺留品が多く眠る場所だとか。この陸地では聞いたこともないようなモンスターも生息しておりかなり危険な土地だとか。その上あまりにも陸から離れていることから挑む冒険者は少ないとかなんとか」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「仲間みんなに簡単に解説してみます」

DM「ハイ。で、みんなも納得。それを見て、豪商エドワードは事細かに詳しいことを説明してきてくれました。このような話です」

 

――(豪商エドワードの話)数年前よりバルバボッサ兄弟の長男ロバーツは、“恐怖の島”の探索に乗り出した。彼は冒険家であった。現地民との交流を通し、外国や都市との交流を現地民が望んでいることを知る。話によると、彼らの遠い祖先は高度な文明を謳歌していたのだが滅び去り、今は原住民のような生活を送っている。彼らはもう一度、文化を取り戻したいのだと言う。この地は民芸品、工芸品、手の込んだ装飾品、高級食材、純度の高いタールなど、商売につながる存在も豊富で、ロバーツは大富豪でもあり都市で手広く商売をしている弟エドワードに相談を持ち掛けた。弟エドワードはコネも使い、国から恐怖の島との交易や新しい航路の開拓、現地民との交流調整の役割を担う大使の肩書を手に入れたのだ。

そしてあれから数年――。先日のこと。冒険家の長男ロバーツが行方知れずになったことが知らされる。彼が役目を担った未開の地となっている本島の詳細を調べ出す冒険中に、急に消息を絶ったのだ。何があったのか、彼の忠実な部下だった男が瀕死の重傷を負いながらも、村に戻った矢先に、こと切れた。こう言い残して。「この島にはとんでもない財宝が眠っている。ここは本当に宝島だったんだ!! それが真実であることをロバーツ旦那様が調べ出した!! 古代人の大秘宝だ!! この大・黒真珠と同じものを集めれば、財宝の眠る場所に導かれる。ロバーツ様はその秘密を知って・・・頼む・・・旦那様を助けてあげて・・・く・・・れ・・・」

 

PL一同「(真剣に聞き入りながら、メモを取っている)」

DM「さて、エドワードは傍にある机の引き出しから、大切そうに布で包まれた何かを出します。それを君たちの前に広げて見せます。それは驚くほど巨大な真っ黒い真珠でした。直径10cmほど。素人目にもわかります。おそらく何千、いやもしかすると何万ゴールドの価値があるはず! 今まで見たこともない代物でした。『こ、こんなすごいものが、いくつもあるのか・・・!?』と君たちは正直、驚きました」

PL一同「でかい黒真珠もそうですが、すごい壮大な話に呆然・・・」

豪商エドワード(DM)「私は大使の仕事のかたわら、兄を探し出さなくてはならない。そして、行方不明の兄が担当していた島のすべてを知る為の探検・調査も続行させなくてはならない。是非とも、君たちにその仕事に協力してもらいたいのだ。兄を探し、島の探索をして欲しいのだよ! 報酬は約束する!」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「凄い話ですね。報酬とは、どのような内容でしょう。それをお聞かせ願いたい」

 

DMは、依頼内容と報酬についての詳細を説明します。

 

(冒険の大きな3つの目的:)

1.兄ロバーツの捜索。行方を探し出して欲しい。もう亡くなっているなど万が一のことも考えてはいるが、取り合えず生死確認をお願いしたい。

2.島の探索・調査。島の探索(未完成地図の完成)並びに、島を少しでも安全な場所にするため危険なモンスターの討伐(今後の交易や観光地化も考えて)。これらには伝説の調査も含まれる。今となっては現地民にも忘れ去られている島の伝説の(真相の)研究調査。

3.財宝の捜索。報酬はふたつ。ひとつ目は島探索時における必要とされる道具類、食料、寝床、傷の手当等々の無償提供(内海を探索する場合は小型船と船乗りも用意する)。ふたつ目は探索中に入手した財宝はその価値の半分を報酬としてそのまま得られること。持ち帰る為にバッグ・オヴ・ホールディングも無償提供する。但し、いまエドワードの手元にある大・黒真珠に類するものは完全に彼のものとし、無条件に雇い主エドワードに手渡さなくてはならない(これに関してのみは価値の半分を報酬云々はなし)。

 

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「すごい! 何という至れり尽くせりの提案!」

DM「その様子を見ながら、一生懸命に今回の取引の契約書を作るべくメモをしていた執事ドンペリエが口をはさみました。『皆さん、相当に危険な島ですからね。命の保証はない。それもご承知のうえで、お願いしますからね! 差し出がましいですが、わたくし、ちゃんと忠告しましたからね。それも記録させていただきます!』。エドワードの片腕らしく、契約とか報酬とか、事務や経理に関することでは口うるさいんでしょうね」

PL一同「(笑)(そして話し合い、すぐに全員、快諾することに同意)お引き受けしましょう!」

豪商エドワード(DM)「さ・す・が、わたしの命の恩人で、大冒険家の皆さん達だ! 君たちはどこまでわたしに良くしてくれるのだろうか! ありがとう、ありがとう、涙が止まらない~!(DM、顔と両手を天にあげて見せるジェスチャー)」

小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「どこまでもオーバーアクションなおじさんだなぁ・・・(・∀・)ニヤニヤ」

 

DM「エドワードの気品ある奥方と、小さなお嬢ちゃんが顔を見せて、皆さんに挨拶します。『うちの夫を手助けしてやってください。みなさん、宜しくお願い致します』『パパを助けて下さいね~!』」

PC一同「まかせてください」

豪商エドワード(DM)「私の有能な部下達が留守を預かり、恐怖の島に住む原住民たちの中心となっているタナロア村にいます。今回は私と執事のドンペリエも同行、恐怖の島に関わる仕事を続けます。ここ一週間以内に用意を整え、私の船・大型帆船イザベルナ号で島に向かいましょう!」

 

ウォーターディープのとある裏道の一角・・・

 

■シーン2.裏道の待ち伏せ

DM「豪商エドワードの所有する大型帆船イザベルナ号で恐怖の島に向かうのですが、あちらへの物資運搬も兼ねており、積み込みにもう少し時間が必要とのことでした。君たちはエドワードの好意から、彼の屋敷にそれまでおいてもらっています。さて、その日、君たちは自分たちの旅の準備の為に巨大都市の冒険者向けの店を何件か回っていました。夕闇が訪れる頃、エドワードの屋敷へと帰路についていたのですが・・・。近道だと裏道に入ったところ、少し離れたところに人影が1つ、2つ、3つと現れます。後方から音がしたので軽く振り返ると、うしろにも、1つ、2つ、3つと人影が・・・。前方4名、後方に4名、挟み撃ちにされていますね。彼らはどこか船乗りのように見えます。顔は知らない。ウォーターディープは物騒な街としても有名です。このような裏道での物取り強盗や、暴力沙汰、時に殺人なども平気で起こると言うのですが・・・」

 

DMはPLに指示を出し、バトルマップの中央部分にマイフィギュアを好きに配置してもらいます。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「うわぁ。あきらかにヤヴァイ感じですね。HPとか少ないし、ここは先輩たちの間に置かせてもらいます!」

DM「船乗り(?)達はこう告げて来ます。『商人エドワードが、勇敢で経験豊富な冒険者を募っていたのはみんな知ってる。なぁ、あんたら、それに雇われた冒険者だろう? 島に向かうっていう、さ。何も聞かず、手を引いてくれねぇかなぁ。この街からおとなしく消えてくれれば、俺達は何もしない。ムダに命をなくすこともなかろう?』。強面の男たちは、低い野太い声をしています。エドワードや君たちの事情をなんだか色々と知ったような口ぶりでもある」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「え・・・なんででしょう? 内通者でもいるのか・・・???」

PL一同「・・・???」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「何者たちなんだろう? それにこれは交渉でなんとかならないかな。『手を引けと言うのなら、それに見合ったモノが無ければ受けることもできない、あんたたち報酬など何か提供できるのかね?』と言ってみよう」

DM「なるほど。するとですね、彼らは手持ちのナイフやら光り物を手にし、刃の平をもう片方の手のひらにぺちぺちと当てながら、無表情のまま答えてきました。『報酬ねぇ。それがあんたら自身の命ってもんだろう。誰もがこの世に二つとない報酬さね。それが何事もなく手に入るとなりゃ、これほどイイことはないんじゃないのかい?』」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「う・・・これは言い返せないかな」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「暴力で解決するしかなさそうな展開ですね」

DM「えっと、平行線をたどりそうなので、しびれを切らせた男どもと戦闘が始まりますが、その前に皆さん、難易度15の技能〈知覚〉判定どうぞ」

PL一同「(ダイスをコロコロ~)・・・あちゃー、全員失敗です!」

DM「なんと・・・?!」(←本当ならここで、こやつらが何者なのかヒントになることが分かる流れにしようと思ったのだが、仕方ない、それは後にしよう・・・(^^;・・・)

 

 

――イニシアチブ判定をし、戦闘ラウンド開始です。

新参加者3名のいる初めての戦闘と言うこともあり、DMやルールに詳しい元からいる面々がレクチャーしながら順次、解決していきます。

皆を守りながら、前後のならず者どもの前に進み出る、小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)、K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)、NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)。

中央部分にて距離を置きながら、魔法攻撃をするAさんPCウィザード(今回は名前なし)、弓矢攻撃をするS子さんPCファイター(今回は名前なし)。

2階建ての家のベランダに登り、遮蔽なき見晴らしの良い場所で、仲間達に援護射撃をする小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)。(←きちんと自分で考えて発言、PCを行動させています)。

それぞれがアイディアを出し合いながら行う戦闘は、不慣れなことから少し時間がかかったものの、見事に冒険者たちの勝利で終わりを告げたのでした。

 

 

PL一同「こいつら一体何者だったんだろう・・・???」

DM「(先ほど渡せなかった情報をここで伝えよう→)叩きのめした男たちの様子を見てみると、とある共通するものが全員にあります。“バラの花を咥えている長髪の骸骨のイレズミ”を体のどこかに入れているんですね」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「我々、なんか知りませんか?」

DM「じゃぁ、噂とか何か知らないか、難易度10で、能力値の〈知力〉判定どうぞ」

 

今度は、これに多くのPCが成功します。

 

DM「このタトゥーは、女海賊メアリン・リードン一家のものである証拠ですね。この街や近辺の海で、海に関わる仕事をしている人間なら一度は聞いたことがある、それなりに有名な女海賊の一味です。悪さをすることで悪名高く、あと、隠された秘宝なんかにも目がないと言う・・・」

PL全員「あー・・・(←皆して、何かを察する)」

DM「全員、海賊ですね。で、そこであれこれしていると、少し離れた場所から足音やら話し声が聞こえて来ました。『通報があった、トラブルが起きてると言うのはどこだ』『もう少し先らしい』。街の警備兵とかが知らせ合うホイッスルの音とかも聞こえ始めます。誰か街の住人が君たちの争いごとを見て警備隊――警官隊みたいのだね、に教えに行ったのでしょう。どうしますか? もうすぐ来ますよ?」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「あ~、なんかめんどくさそうですね。こちらが悪いわけではないし、ここは逃げてしまいませんか?」

PL一同「異議なし。エドワード邸宅に逃げてしまいましょう!」

 

こうして冒険者は警備兵の目をかいくぐり、知らんふりしてうまく逃げおおせることに成功します。

 

一難去ってまた一難!

 

■シーン3.襲われたエドワード邸宅

DM「夜が訪れます。豪商エドワードの邸宅に君たちが戻ると、優しく暖かい明りが屋敷の中に灯っていますね。君たちが玄関ドア手前まで歩みを進めたところ、突如として奥から女性と子供の悲鳴が上がります」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「えええ?!」

DM「あれはエドワードの奥方と娘の声だ、と気がつきます。奥方が力の限り声を上げます。『子供をどこに連れて行こうと言うのです、無礼者ども、汚い手をお放しなさい!』幼い少女の鳴き声。『ワーン、ママーママー助けてー!』野太い男の声。『嬢ちゃん、大人しくしな!』皆さん、どうしますか?」

小⑥A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「これはッ?!」

小①TくんPCローグ・ロック(ハーフリング・ライトフット)「助けないとッ!」

 

少女の悲鳴が聞こえたことに、敏感に反応する子供PL二名。

窓から中の様子を見ると、3名の荒くれ者が玄関ホールに押し入っていることを確認できました。その3名の首筋やら腕には、“バラの花を咥えている長髪の骸骨のイレズミ”が。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「見張りの兵士たちはどこ行ったんだろう?」

DM「見える範囲では見当たりません」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「・・・・・・(怪しむ目)」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「エドワードさんとドンペリエさんは・・・?」

DM「今朝会った時の話では、仕事の用事から二人で遅くまで帰宅できないと。外出中ですね。ちなみに使用人たちは夜なので自宅に帰宅したり、まぁ残っている者も、どこかに捕らえられてでもいるのか、逃げてしまったのか、見当たりません」

 

こちらにも女海賊メアリン・リードンの一味が来ていたのかと、PC達は中に飛び込むことにします。戦闘開始。イニシアチブ判定で順番決定。

 

突き飛ばされてひっくり返っているエドワード夫人と、それを取り囲んでいる海賊二名。もう一人の海賊はエドワードの娘を無理やり抱きかかえて、ちょうど奥の出入り口から通路に出て行こうとしていました。どうやら奥の裏庭に向かおうとしているらしい。

冒険者はふた手に別れて海賊に対応し始めます。

 

娘を連れ去ろうとしている海賊は、娘のキックやパンチ、手足バタバタの大暴れと言ったささやかな抵抗が功を奏して、普通の移動力では移動できていません。PC達と海賊の移動の解決の結果、NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)とS子さんPCファイター(今回は名前なし)が、裏庭に通じている両開きのドアのところで誘拐犯に追いつきました。

 

DM「では、そこで外の様子が見えた二人は気がつきます。裏庭の向こうには高い柵状の壁があるんですが、柵の一部がどうやってか破壊され、人が簡単に出入りできるようになっていました。あそこから侵入してきたのでしょう。その柵の向こう、薄暗い道路に一台の幌馬車が停まっています」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「海賊どものですね。あれで逃げられたら追いかけられない?!」

 

戦闘は続きます。

 

ホールの海賊にてこずっているうちに、裏庭手前に来ていた面々は誘拐犯海賊を倒すことに成功します。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「海賊が倒れ込む寸前、少女をぱっと抱きかかえて落とさないようにしましょう」

エドワードの娘(DM)「ナイス、お姉ちゃんありがとう~!(サムシングアップをするDM)」

PL一同「(大爆笑)」

DM「(真顔になり)その時、どこからか寂し気で怪しげなメロディの笛の音がしてきます。おそらく馬車から。馬車を運転するフード付きの茶色いローブがひとりいるんですが、その人物によるものだろうと察します」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「笛の音? なんだ? それは男性、女性?」

DM「屋敷から漏れる明かりから、微かにしか見えませんが、なんとなーく雰囲気からして、女性っぽいかも、と」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「え」

AさんPCウィザード(今回は名前なし)「まさかボスの女海賊メアリン・リードンみずから?」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「ボスがまさか、自らやってきてるのかな?」

DM「そこまでは分かりませんね」

 

 

さて、幌馬車の中から獰猛な野獣の唸り声が聞こえ始め、何かが飛び出し裏庭へと向かってきました。それは熊や馬などとその大きさに引けを取らない、巨大な狼ダイア・ウルフでした。解き放たれた海賊の獰猛なペットたちは冒険者に襲い掛かってきます。

戦闘ラウンド続行。

 

ホールの海賊を倒した他の面々が裏庭に駆け付け、全員してダイア・ウルフ2頭と死闘を繰り広げます。

 

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「弓矢攻撃成功ですが、ダメージがしょぼい目しか出ない・・・もふもふめ~」

DM「ダイア・ウルフのモフモフ毛皮は防御力高いんでしょうね。あったか、もふもふ~♪」

 

海賊の手下に比べ、HP高めのダイア・ウルフはなかなか倒れなく、近接攻撃班と遠隔攻撃班の連係プレイで、どうにかこうにか倒すことに成功したのでした。

形勢不利と見て、謎の女性?は馬車を走らせ逃亡してしまいます。

 

――ひと段落した頃、外出していたエドワードとドンペリエが戻り、様子を知って仰天します。

 

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「エドワードさん達に、裏道で襲われたこと、屋敷であった出来事を詳しく話します。それで、女海賊メアリン・リードン一家の仕業らしいことも伝えますね」

DM「するとエドワードは深いため息をつき、指を額に当てながら首を横に振りました(←DMジェスチャーをする)『困ったものだ。またあいつらか・・・』」

PC一同「知ってるんですか?!」

執事ドンペリエ(DM)「ええ。旦那様がお兄様と繰り広げているプロジェクトをどこかで知り、噂話に過ぎなかった恐怖の島の様々なお宝噂話が真実だと分かったことから身を乗り出してきて、すべてを自分達が手に入れようとしているらしいのです。そうなると、旦那さまや我々のことは邪魔。これまでも様々な妨害やトラブルを引き起こしてくれているのですよ。時には命も狙ってきて。島周辺にも実際、出没している。我々は悩まされっぱなしでしてねぇ。ただ、今回のように、こんな目立つ街中にある屋敷まで襲ってくるとは、初めてです。あなた達がやってくるより少し前、協力してくれる冒険者を募集する告知を出しましてね、それから推測でもしてか、あなた達も・・・なんでしょうね」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「なるほど、そんなこともあるから、門番も私たちに態度が悪かったんですね。納得・・・。ああ! と言うか、見張りの兵士はどこ行ったんだろう?!」

DM「屋敷を調べると、物置に、さるぐつわにロープでグルグル巻きにされて蠢いていました」

S子さんPCファイター(今回は名前なし)「この人らが内通者かと思ったけど、違うみたい。そもそもプロジェクト知られたりしているし、募集かけたりもしたから、情報だだ洩れで、海賊は動きやすくなるよね」

 

冒険者たちの活躍で、エドワード一家の災難は食い止められました。エドワードと執事ドンペリエは話し合い、エドワードの古くからの知り合いと言う軍の友人に頼み、きちんとした護衛兵を出してもらうことにします。

当面の間、エドワード邸ならびに奥方と子供の見守りが強化されることとなりました。軍が協力しているとなれば、いくら海賊でも屋敷や家族にそう簡単には手を出せないし、動けないはずでしょう。

 

DM「執事ドンペリエは見張りの雇われ兵士に冷たく言います。『と言うことで、まったく役に立たなかった見張りをお願いしていた兵士のお二人・・・あなた達はクビです。これからは軍の警備兵にお仕事を依頼しますので』。面目ないと、雇われ兵士は去っていきました」

PL一同「仕方ないだろうね・・・」

 

PL達は、おそらく島の冒険では、女海賊メアリン・リードン一味との戦いも待っているのだろうなと予想するのでした。

 

~セッション中、リアルにここでお昼休みになったので、記事も〈後編〉に、つづく~