いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第28回:2020年9月27日(日)〈後編〉

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冒険者一行は、無事に“竜の顎(あぎと)”へたどりつけるのでしょうか?

――第28回目にあたる今回の例会レポですが、長文になってしまった為、前後編にわけてあります。これはその〈後編〉になります――

 

■シーン4:野営地の亡霊

DM「徐々に日が傾き、昼間の時間帯が終わりを告げようとしています。君達は山の中腹から問題の渓谷へと近付きつつありますが、無理は禁物と、早めに野営の準備を始めたのでした。手頃な場所を見つけたので、そこに荷物を広げます。話し合い、夜は三交代で、2~3時間ぐらいずつ、誰かが見張りに立つことになりました」

 

PY同士で相談します。1組目が小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)と小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)、2組目がNさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)とSさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)、3組目がK子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)と小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)に。夜襲など緊急事態が起きた場合、接近戦を苦手とする中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)は、そのまま一晩休むことになりました。

 

DM「人里離れた山の中のキャンプですが、風も雲もなく、月が出ていたり、鈴虫などが鳴いていて、平和な感じです。コボルドどもが近辺にいるというのが嘘のよう。さて、組になった二人ごとに、1d20をロールして出目を教えてください。本来ならDMが振るところですが、ハラハラドキドキ面白みを増すのに、PYさん達の方にお任せします」

PY一同「(「出た目によっては何かが起こるんだなぁ~?!」という目をする)」

 

1組目。ダイスをコロコロ~・・・(ハラハラ)・・・特に何も起きないまま、次のグループにバトンタッチ。

2組目。ダイスをコロコロ~・・・(ドキドキ)・・・やはり何も起きないまま、次のグループにバトンタッチ。

そして、3組目・・・ダイスをコロコロ~・・・。まるでお約束のように、最後の最後で、DMが設定していた出目以上の数値が出てしまいます。

 

DM「(ここでいきなりタブレットの効果音アプリから「ガーン!!」の音を出すDM。驚くPY達)。雲が出て来て月明かりが無くなり、真っ暗、焚火の火だけが頼りになります。おかしなことに急に鈴虫の音がやみ、静けさが訪れました・・・」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「え、なに、これ、ヤヴァイ?! 怖いよーッ! 何か起きるよ、Iちゃんどうする?!」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「ど、どうするって、この場合、どうしようもないよ~?!」

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人里離れた場所でのキャンプほど恐ろしいものはないのだ・・・

あおる様にDMがタブレットの効果音アプリから、怪奇現象が徐々に迫ってくる時の重苦しい不協和音的な音を流します。これを聞いてPY全員がニヤニヤしながら小声で、「この効果音はね~」「ヤヴァイよ~」を連呼。

DMは、焚火を囲むよう配置してあるPC達のフィギュアのすぐ周囲に、真っ白に塗装されている謎のフィギュア3体を置きました。「出ーたーッ!」PYの皆さんが想像(期待)したとおり、“何か”が現れたのです。

 

DM「ニコルとモコは囁き声がしたのを耳にし、お互いに『今なんか言った?』と聞き返しますが、お互いに首を横に振る、と。で、ね、これはおかしいぞ・・・と後ろを振り返ると、君達を取り囲むようにして、このフィギュアのような、顔色が悪くて、体の色合いもおかしい――なんだか背景が透き通って見える――、一見すると君達のような冒険者風の男女3人がいることを知ります。今さっきまで全然気配がなく、一体いつの間に来ていたのか分かりませんでした。で、その中の戦士風の男が、2人をじっと見て、話しかけてきました」

ニコル&モコ「な、何?!」

戦士風の冒険者(DM)「・・・ロンディナ? ロンディナじゃないのか・・・?」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「え、何? ロンディナって?」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「取り敢えず、私は他の仲間を急いで揺さぶって起こします!」

 

PC一同は起き、見張りに立っていた2人の青ざめた顔と、周囲にいる謎の亡霊らしい冒険者達を見て、何となく事情を察し、警戒しながら様子を窺うことにしました。

3人は半透明で足がなく、フワフワと地面から浮かび上がるその姿はまさしくゴーストそのもの。一人は戦士風、一人は僧侶風、一人は盗賊風です。PC達に敵対するような気配はなく、戦闘に発展する感じはしませんでした。

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亡霊が訴えかけてきたこととは・・・?

戦士風の男の亡霊(DM)「(ニコルを見ながら)あんた・・・ロンディナじゃないのか? なぁ、あんたら、ロンディナのことを知らないか? ・・・誰かって?! 魔法使いのロンディナさ! 彼女はいいやつだった!」

僧侶風の女の亡霊(DM)「私達は4人でパーティを組んでいろんなところを旅して歩いたものです。それが“竜の顎(あぎと)”のドラゴン退治に繰り出したのが運のつき。私達はドラゴンの口から出される炎で焼き殺されてしまいました。そりゃ~熱かったですよ、死ぬほどにね・・・」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「ハハハハハ! ナイスなアメリカンジョークだな! ハハハハハ!(乾いた笑い)」

盗賊風の男の亡霊(DM)「死んじまったものの、こうして3人の魂は揃った。それが、もう一人いるはずのロンディナだけいないじゃないか?! 彼女、死んじまってるのに会えないままなのか、それとも生き残ったのか? ・・・誰も、分からないんだ・・・」

亡霊3人組(DM)「俺達は同じ村の出の幼なじみで、ずっと家族のように接してきたんだ。死んでも同じ、ずーっと一緒のはずだったのに・・・」

 

この後、PC達が色々と質問したり、確認したりしますが、亡霊3人は要領を得ません。

何というか、行方不明の仲間・魔法使いロンディナという女性を探すことだけに執着しており、またおそらく長いこと死者としてさまよっているうちに自分自身たちが何者で何をしてきたか等の記憶がどんどん曖昧になってきており、どう受け答えしてよいのか分からなくなってきているようなのでした。

そんな中、ひとつだけ気になる話が出てきました。それは「ロンディナは集めた情報をまとめたり、“冒険の地図”を描く役割も果たしていた」と言うものです。

 

戦士風の男の亡霊(DM)「(ニコルを見ながら)あんた・・・ロンディナじゃないのか? なぁ、あんたら、ロンディナのことを知らないか? ・・・誰かって?! 魔法使いのロンディナさ! 彼女はいいやつだった!」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「話が戻っちゃった?!(どうしていいかわからず困惑)」

 

PC達は依頼主の学者アンディが以前見つけたという、昔“どこかの冒険者”が描いたらしい“冒険の地図”の存在を思い出します。「もしかして、これって?」と、亡霊たちにその地図を試しに見せてみることにしました。

 

亡霊3人組(DM)「(今までにない、すごい驚いたような表情で)そ、それは・・・ッ!! ロンディナの地図じゃないかッ?! そうだ、間違いない、そのうまい風景の描写の仕方、文字の書き方、彼女が昔描いていた地図だッ!! そうそう、俺達が最後に冒険した時に、その地図は彼女が描いていたものだよ!!」

PY一同「オオッ! 町の人が言ってた、昔“竜の顎(あぎと)”に挑んだ冒険者達って、この人達のことだったのか~」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「亡霊たちに、タニングの町で得てきた情報で、半世紀以上前に“竜の顎(あぎと)”に挑んだ冒険者達―――おそらくこの人たちで間違いないでしょう、がいたことや、そのうちの誰かが生き残って戻り、この地図を後の世に残したらしい事実を伝えます。で、その後の消息は誰も分からないことも」

DM「ハイ。するとですね、亡霊達の顔つきが穏やかなものになり、『あの時、ロンディナは生き残ったんだ!』『その後もどこかで生きて、生ある者の生活を送ったんだ!』『良かった、本当に良かった!』とお互いの肩を叩き合い、うなずき始めます。そして君達を見て、『教えてくれてありがとう、ロンディナは俺達の本当に大切な仲間だったんだ。それが無事に生きて、その後どこにいったかは分からないとしても、生きていてくれたというのなら、こんなに嬉しいことはない!! 俺達は何十年も、この一帯をさまよい、彼女を探し続けていたんだ。彼女のことが心配で、それだけが心残りだった。神に、感謝する!』と微笑み始めます」

PY一同「オオッ~♪」

DM「亡霊は、『お前たちは冒険者なんだろう? 事情は知らんが、こんなところまで来ているということは、差し詰め“竜の顎(あぎと)”に向かう途中なんだろうな。だったら気を付けた方が良い、あそこには質の悪いコボルドの群れが棲みつき始めていてな、しかも何をどうやったのかまでは知らんが、死んだはずのレッドドラゴンを復活させたようなんだ。この先の渓谷はいつも霧に覆われている。やつらはそれも利用してくるかも知れない。“竜の顎(あぎと)”まではあと一歩と言うところだ。せいぜい気を付けて行くが良いぜ・・・』とアドバイスしてきます。すると3人の亡霊たちは、気にかけていたロンディナがどうなったのか知れたことで呪縛から解き放たれたらしく、スーッと空の彼方に消え去って行ったのでした」

PY一同「オオッ~♪」

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「無事に旅立ったか~・・・」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「鬼滅の刃の鬼みたいに成仏したんだね」

 

一行が気が付くと、もう空が白み始めていました。夜が明けようとしています。

冒険者達は朝食を取ると、旅の支度を始め、霧の渓谷に挑むことにします。

 

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コボルド達との戦いは続く・・・

■シーン5:霧の渓谷の待ち伏せ

冒険者達は再度、出発しました。その時点においては天気が良かったのですが、目的地である渓谷に近付くにつれ雲行きが怪しくなり、周囲に霧が立ち込めてきます。地図情報によると、この渓谷は常に霧に覆われている場所のようで、景色は霞み、ハッキリとしません。

昨夜の亡霊が口にしていたように――いや、おそらくそうなるのでしょう、こんな場所でコボルドどもが待ち伏せしていたらやっかいだろうな・・・と思いながら一行は道を進みます。

霧が深いせいで歩みも思うようになりませんでしたが、道は徐々に徐々に下り坂になり、目的地へと向かっていることは確かに思えました。

 

DM「では皆さん、難易度15の、技能〈知覚〉判定をして下さい」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「え、何?! イニシアチブ判定?!(←突撃隊長は気が早かった!!)」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「〈知覚〉判定だよ」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「あ、はい」

各自「ダイスをコロコロ~♪ (で、過半数が成功)」

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霧にかすんで良くは見えないが、あの巨大な姿形はまさしく?!

山道の中、冒険者達は一斉に何かの気配を察知します。良く見れば、遥か先の丘の上、霧に包まれたその場所に、巨大な生き物の姿が見いだされました。

霧に隠され、ぼやけていますが、巨大な体に翼の様なモノがついており、それがゆっくりと上下に動いています。

あれは一体?! (とDM、ワザとらしく言いながら、レッドドラゴンのフィギュアを一番奥の大きな丘の上に配置)。

 

PY一同「ジー・・・(←なんだか怪しみ、冷めた目でそれを見ている)」

DM「オホン! それに続けて渓谷中にこだまする様に、大声の、片言の共通語が響き渡ってきました。『我々ノ神、レッドドラゴン様ハ、コノ世ニ甦ラレタ! 愚カナ冒険者ドモヨ、怖レ、ヒレ伏スノダ! ソシテ我ラガ神、我ラガ守護神レッドドラゴン様ノ生ケ贄トナルノダッ!』と。で、丘の上に声の主である1匹のコボルドが現れ、剣を空に掲げます。そのすぐ後ろでは・・・霧でよく見えませんが、ドラゴンにも見える姿をした巨大なものが翼を今度は勢いよくバサリバサリと羽ばたかせました」

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冒険者一行は亡霊の警告通り、コボルド待ち伏せに遭遇します。

DMは、何も置いてなかったバトルグリットマップ上に、たくさんのコボルド兵を配置します。そこかしこに隠れていたコボルドの兵士達が現れ、戦闘態勢に入ったのでした。

 

DM「皆さん、戦闘です。イニシアチブ判定を行ってください!」

PY一同「ハイッ!!」

 

このシーンでの戦闘についても皆さん、これまでの戦闘遭遇同様、各自の役割分担をそれなりに考え・守り・行動しており、誰かがピンチになっても、他の誰かが援護なり回復なりに走って、それほど大きな被害を出すことなく、順調にコボルド兵を倒していったものです(戦闘ルールのおさらいみたいな感じの展開に終始していたので詳細はカットしますね)。

最後には皆さん、一番奥のレッドドラゴン(?)まで、果敢に挑んで行こうとしました。

 

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「うぉ~! 皆で、突撃だ~ッ!! ト・ツ・ゲ・キィ~ッッッ、グギギギ・ギーッ!!(←大興奮)」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「ここは隠れながら行った方がいいんじゃないのー?」

DM「これだけこの戦場で、皆して派手に暴れまくってドラゴンの方まで近寄って行っていたら、見えちゃってるし、隠れられないよね?」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「ああ・・・そうかー、だねー」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「皆、突撃だ~ッ!!(←皆をあおる)」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「お~ッ!♥(←ノリで合わせる)」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「突撃~ッ! グハハハハハハ~ッ!!(←超大興奮)」

PY一同「(大爆笑)」

DM「すると、そのレッドドラゴンと思われるものが、どうしたことか、クルッと振り返り、お尻を君達の方に向けてしまいました。で、翼の動きがぎこちなくなり、ついには動かなくなってしまいます」

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「え? ええっ?!」

DM「丘のすぐ下までたどりつき確認できるようになると、こういうことでした。それはレッドドラゴンに似せた大きなハリボテで、たくさんの木の棒や、木の枝、葉っぱ、ロープ、ボロボロの布切れなどを組み合わせ貼りつけて作った大型人形、ニセモノだったんです。遠くから、しかも霧に包まれていればドラゴンに見えるかも知れないけど、近くで見れば大したことがない、不格好でいい加減な姿形をしていました。で、下側にいる2匹のコボルドが操作を担当していたらしく、翼を動かす操作棒や操作ロープを手放し、2匹して相談し始めています。『ドラゴンガ甦ッタトイウノガ、人ヲビビラセテ、棲ミ処ニ寄セ付ケナイ為ノ大嘘ダッテ言ウコトガ、バレチマッタゼ⤵』『ヤヴァイヨ、ヤヴァイヨー⤵』『コウナッタラ相棒、三十六計逃ゲルニ如カズ、ダ⤵』『グットアイディア! アラホラサッサ~♪』と、なんだか最後は何故か難しい共通語を流暢に口にして、2匹はスタコラサッサと奥の方へと逃げ去ってしまったのでした」

大人チーム「(大爆笑しつつ)やっぱりそういうことか~」

 

PYの皆さんも、「弱いコボルドどもが言いふらしてるくらいだし、仮にそれっぽいドラゴンが現れたとしても、実は何か仕掛けがあるとか、幻影の魔法とかその手のモノで、本物が生き返って出てくるはずがない」と高を括っていたようです。

冒険者一行は、おそらく2匹が逃げた先が、我々が目指す目的地“竜の顎(あぎと)”でもあるのだろうと、全速力でコボルドどもを追いかけ始めたのでした。

 

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“竜の顎(あぎと)”を根城とするコボルド一団との決戦の火ぶたが今切って落とされた!

■シーン6:竜の顎(あぎと)

冒険者一行は渓谷をひたすら進みます。霧は相変わらずですが、谷の幅が先細りに狭まっていっていることからも、目的地に向かっていることは間違いありませんでした。

両方の崖が見上げるような高い絶壁となり、遂にはどん詰まりが見えてきます。

一番奥は崖の一部が手前側に突き出し屋根のようになっており、そこにはツララ状の鍾乳石がいくつものぞいていました。真下の地面には天に向かって伸びる尖った岩がごろごろしており、その光景はまさしく、超巨大なドラゴンが大きくアゴを開けている形状をしている物だったのです。

目的地、“竜の顎(あぎと)”に、ようやく一行はたどり着きました――。

霧に覆われ、今いる位置から細かくは判別できませんが、その口の奥は浅い洞窟になっており、巨大なドラゴンが座り込んだまま白骨化しているのが見て取れます。

 

DM「学者アンディが、『あれだ! まさしくあれだ! 素晴らしい! 素晴らしい!』と興奮して声を荒げ、今にも飛び出していきそうになっています。で、巨大な白骨化したドラゴンの前には祭壇状の物が置かれ、捧げものらしい、家畜の遺体や、果物、何やら高価そうな食器や布の束、硬貨がはみ出している布袋等々が並べられていました」

PY一同「さっき逃げたヤツや、その他のコボルドの一団とかはいますか?」

DM「ハイ。周囲を確認すると、そこかしこにコボルドの姿があります。逃げた2匹もいますね。君達のことを既に報告したらしく、全員で待ち構えていました」

PY一同「さすがにそうなるよね」

DM「祭壇そばにいたリーダー格らしいヤツ――他よりも賢そうに見えるやつが――ちゃんとした共通語で話しかけてきました。『愚かな冒険者どもよ、お前たちがこちらに向かってきているという報告は部下に受けている! もともと別の棲み処に住んでいた我々が、別の大バカな冒険者どもに追い立てられ逃げ出し、ここにこうして新たなる棲み処をドラゴン様のおぼしめしで得られたのだ。それなのに、またしても違う冒険者どもがやってきた。今度こそは負けはしない! 我々は偉大なるドラゴン様の御加護と恩恵をうけたまわっているのだ! 返り討ちにしてくれるわッ!!」

 

本シナリオ最後の戦いと言うことで、PYの皆さん気合が入ります。

イニシアチブ判定を行い、行動順を決定。

今までの様に順次、うまく連携を取る流れで戦闘(ラウンド)を繰り返そうとしますが、思うように行ったのは最初のうちだけ。すぐにこのアジトにいるコボルドどもが本領を発揮し出し、PC達のことを圧倒、PYの皆さん連携が取れなくなり慌て始めることになりました。

実はDM、先に出していたコボルド達は下っ端ばかりと言うことで使えないことにしていた特徴“連携戦闘”を、この“竜の顎(あぎと)”にいるのは先鋭の鍛え上げられた兵士達と言うことにしており、そのギミックを大いに活用し出したのです(DM「解説しよう! 連携戦闘とは、PCに対し、仲間のコボルドが接敵しているなら、他のコボルドはそのPCへ攻撃ロールする際、20面体を二つ振って大きい方の目を採用できると言う優れた特徴なのだ!」)。

最後の戦いということで、やる気満々、前衛に混ざっていた小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)がそれなりのダメージを早速受けてしまいました。

 

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「DM、町でもらったポーション・オブ・ヒーリングと言うアイテム、使いたいんだけど?」

DM「このラウンド、モコはソード攻撃を既に行ってしまったので、次のラウンドの自分のターンでしか使えないよ?」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「なんだー」

 

この、後衛(主に援護射撃)のデータ(要するに機動性重視で防御力が低い)を持つモコが前に立ったことで非劇が起こることになります。

次々に押し寄せる他のコボルド達も“連携戦闘”能力でモコに攻撃をヒット! どんどんダメージを与えてきたのです。

HPの少ない1レベル冒険者の彼女はたまったものではありません。

 

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「アッ!! HPがゼロになっちゃった!! モコが死んだ・・・」

PY一同「え?! え~っ?!?!?!」

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激戦が繰り広げられる中、ピンチに陥る冒険者達!! 果たして・・・?!

5版のルールだと、ゼロになってもいきなりPCは死亡しないルールになっており、今は取り敢えず意識不明の重体でその場に倒れたことになります。今後のラウンドで生死判定を行っていくことになるのですが・・・小②I子さん、戦意喪失、時おり場の様子を確認しながらも任天堂Switchあつまれどうぶつの森を始めてしまいました。

 

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「取り敢えず、モコの周囲のコボルドを優先してやっつけないと!」

 

リアの言葉に、モコの“悲劇”が、“英雄譚”の流れを生み出すことになります。

 

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「ファイアー・ボルト呪文の攻撃、ダイスをコロコロ~・・・攻撃成功!⤴」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「弓の攻撃、ダイスをコロコロ~・・・、攻撃成功!!⤴」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「剣の攻撃、ダイスをコロコロ~・・・、攻撃成功!!⤴」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「剣の攻撃、ダイスをコロコロ~・・・、攻撃成功!!⤴」

DM「ハハハハハ(乾いた笑い)。皆さん、面白いように攻撃が当たりますね!?」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)&SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「ホントに(乾いた笑い)」

 

その後のラウンド、身近な敵を倒して手が空いたSさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)が少し遅れる形で治癒の呪文でモコを回復、彼女は一命を取りとめます。

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)も、HPが削られた他の仲間達を回復するために動き回り、勝機が見えてきました。

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)は、自分のポーション・オブ・ヒーリングを飲みたいと発言、そのため次の“最後の流れ”に参加することはできなかったものです。

 

――次々に戦場に倒れて行くコボルド兵士達(Ω\ζ°)チーン)。残すところは、コボルド弓矢兵士と、ボス・コボルドの計2体のみ。

 

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「ボスに向けて弓矢攻撃をします! ダイスをコロコロ~・・・、攻撃成功!! ダメージは6ポイントです!」

DM「ボスは他の兵士とはデータが違うのですよ。まだHP大丈夫です、行けます! コボルドは移動してニコルに接敵、『やってやる! やってやるよ! うちの忠実な、可愛い子分どもをやったのはテメェだな! やってやるよー!!』と息巻きます」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「ひぃ、またやられるよ~(←脳裏に思い出される最初にプレイした時の戦闘遭遇の数々(番外編レポ3参照))」

PY一同「・・・(固唾を呑む)」

DM「剣による攻撃、ダイスをコロコロ~、AC17まで当たり!」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「私のACは18です」

PY一同「(小声)外れた~、1たりない~(クスクス♪)」

DM「スカッ!(泣)。そしたら、次の順の弓矢コボルドは・・・」

 

DM、さすがにここは目標をランダムにしないと可哀想だと、ニコル含む周囲のPCに番号を振り、どこに行ったかダイスを転がして決めます。

すると・・・出た目は・・・、ニコル!!

 

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「んあ?!」

DM「弓矢コボルドは剣に持ち替えて、ニコルに移動攻撃を試みます。『ボス! ボス! アッシガ助太刀イタシヤス!』」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「任侠モノっぽくなってきた(笑)」

DM「剣による攻撃、ダイスをコロコロ~、AC14まで当たり! ハイ、数値が足りませんね。外れですね、了解です! 『ボス、ボス、全然アタリマセンヨォ⤵』」

PY一同「(小声でクスクス♪)」

 

ここでそのラウンドが終わり、また次のラウンド、順番が最初に戻ります。

 

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「コボルド弓矢兵士に、弓攻撃します! ダイスをコロ・・・、あ、変なところにぶつかった~⤵ (←出目は失敗)」

DM「・・・え?」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「転がそうとしてぶつかっちゃった♥ 本当だよ♥ DMやり直していい?♥ ね♥」

PY一同「(ニヤニヤ)」

DM「・・・え・・・は、はい?」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「ダイスをコロコロ~、攻撃成功♥ ダメージは9ポイント♥」

DM「当たったんですね? ええ、その値なら当たりましたね。当たりましたとも! コボルド弓矢兵士は、『ボス、ボス、オ先二、イカサセテ、イタダキヤス~!』と言いながら、バタリと倒れます」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「やった!!」

 

中①Aさんが意気揚々とテーブルに身を乗り出し、赤い縁取りの呪文カードを1枚提示します。

 

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「私の番! 今まで温存していた、1レベル呪文スロットを1つ使って、マジック・ミサイルを唱えます。3本の魔法の矢をすべてコボルドのボスに飛ばしますね。これは自動命中で、ダメージはダイスをコロコロ~・・・1本につき4ずつ・・・合計12ポイントのダメージ!!」

DM「コボルドのボスは、断末魔の叫びを上げます。『せっかく~、ここまできて~、あたらしい~、棲み処を見つけたのに~・・・(バタリ)』」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「(@^^)/~~~、バイバーイッ!」

PY一同「やった~ッ! おお~ッ!!(←歓喜の雄叫び♪)」

 

 

■エピローグ

こうして冒険者一行はついに、タニングの町を困らせていたコボルドをすべて退治し、学者アンディのことも無事、“竜の顎(あぎと)”へと案内できたのでした。

安全になった竜の顎(あぎと)の中を調べると、コボルドどもがどこからか盗んできたものなのか、それとも元々ドラゴンがこの場所に隠し持っていたものなのかは不明なのですが、様々な価値ある宝物が隠されているのを発見、冒険者はそれを貰い受けることになります。

町に戻り売却すると、一人100gpほどの分け前になりました。町長グルドンからの依頼料一人につき10gp、学者アンディからの依頼料一人につき5gpもすべて加えて、PC達は一人につき合計115gpを入手します(と、残ったポーション・オブ・ヒーリング)。

 

冒険者達は、学者アンディとグルドン町長に何度も礼を言われました。彼らに話を聞いた町の人々からも歓迎され、タニングの町で数日にわたり美味しい飲み物や食事などを提供されたものです。

学者アンディは、彼の住む町の学者仲間連中に連絡、協力し合い、“竜の顎(あぎと)”に眠っていた白骨化したドラゴンの研究をすぐにでも始めるとのことでした。

 

その後、もちろんPC達は新しい冒険を求めて旅立ったのです――。

 

――今回の経験点ですが、一人150点ほどでした。初心者PYの皆さん、お試しプレイとは言え、前回(番外編レポ3参照)も遊びクリアしましたし、DMは考え、あの冒険をこの冒険者パーティで行っていたということにして、その時の分も(オマケで)150点ずつ加算。一人合計300点を得たとし、ちょうど2レベルに成長したことにしました。

待望のレベルアップ! HP最大値をダイスで増やす時には、みんなでまた大はしゃぎしたものです♪

 

 

■今回の、おまけ画像

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今回から導入されたボイスレコーダー。ブログを書くのに大いに活躍します。