いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第25回〈後編〉:2020年2月8日(土)

ーー第25回目にあたる今回の例会レポですが、長文になってしまった為、前後編にわけてあります。これはその〈後編〉になりますーー

 

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ダガーフォードの兵士同士が争っている?! 実は意外な展開が待ち受けていたのだった。

シーン3:モーウェン公を救え!

ダガーフォードの町までは3日の旅。前回、修道院から旅立った時同様、一行はその旅の間中、ずっと誰かに見張られている気配を感じ続けました。あのドラウの一派であることは容易に想像できましたが、今回はこちらの様子を見ているだけで襲ってくるようなことは一切ありません。

 

PY一同「やつらも執拗なまでに調べまくっている様子だったから、俺達のことも〈はぐれられた御方〉に敵対している者達と把握しているはず。下手な行動には出てこないだろうし、逆に俺達から見ても、もうあのドラウ達の存在は関係ないし、今は構う必要はないだろう」

 

PC達は構わず旅を続けます。そして、もう少しでダガーフォードの町が見えてくる、という一歩手前の森の中で、事件は起きました。

前方の方で何やら戦っている険しい騒動が聞こえてきたのです。見える位置までそっと進み、草むらに隠れて様子を見ると、ダガーフォードの兵同士が戦っているという奇妙な光景が広がっていました。

「どういうことだ?!」と、もっと良く観察すると、どうもダガーフォードの兵士達のグループと、何やら女性貴族とその護衛達のグループが戦っているらしいという状況が見えてきます。どちらもダガーフォードの兵士が身に付けている紋章入りの鎧や盾や剣、同じく女性貴族もダガーフォードの紋章入りの衣服やマントを身に付けているので最初見分けがつかなかったのです。

どう見ても、このままでいたら、女性貴族達の方がそんなにしないうちに最悪の結果に陥るであろうことが予測される状態でした。 

PC達は、その女性貴族が、病死したダガーフォードの領主の姉にあたる、モーウェン公であると気が付きました。知り合いではないですが、町で行われた祭りごとやその他のイベントなどの席で見かけたことがあるのです。彼女は毅然とした振る舞いで部下達に指示を出しています。

 

モーウェン公「まさか味方に襲われるとは!! ダガーフォードは、やはりただ事ではないことに巻き込まれているようですね!!」

 

町の兵士達の様子はどうみてもおかしく、目がうつろで無表情のまま、激しい攻撃を繰り出しています。

 

PY一同「どう見ても、これはモーウェン公を救う必要があるね!」

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「モーウェン公、助太刀いたします!!」

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モーウェン公を救え、冒険者達!!

戦いを挑む冒険者達ですが、町の兵士達は先鋭らしく、なかなか手強い。その上、倒しても少しするとムクッと立ち上がり、再び無表情のまま不気味に戦いに挑んできます。

何とかかんとか町の兵士達を全員倒すと、彼らは気味の悪い緑色の液体を吐き出しながら、絶命したのでした。

 

NさんPCウィザード・モラウ(ヒューマン)「なんだろう、この気持ち悪い液体は・・・。薬か何かを飲ませられて、操られているってところか・・・」

 

りりしく気品ある顔立ちの中年女性であるモーウェン公は、貴族流のえしゃくをして見せてきました。そして冒険者一行が、数々の冒険を成し遂げていることで有名な人物達であることに気が付き、事情を説明してきてくれたのです。

 

モーウェン公「ダガーフォードに暗雲が立ち込めています。その元凶となったのが、先日病死した私の弟の娘、修道院から帰ってきたばかりのディアベルのようなのです。わたしの父が生きていた頃から親身になってくれていたある政治家の使者を通して町の様子を知りました。町の政治から離れた身とはいえ、血のつながった家族が起こしたこと、何とかわたくしが出向いてことを収めようとこうしてやってきましたが、あの子はこのように刺客まで寄越してきました。本気でわたくしを殺そうとしています。使者を寄越した人物もどうやら事故死に見せかけられて殺されてしまったようです。もうこれは普通ではありません・・・。町中はモンスターが出没しているとも言います。見ての通り、私の兵士と言えば、身の回りのこともしてくれている数名だけで、そのほとんどが今殺されてしまったり、重傷を負ってしまいました。私は戦士ではないですし、そもそも軍など持たない私には、もうどうすることもできないでしょう・・・。どうでしょう、町を救うという使命、お願いできないでしょうか? ディアベルがしていること、しようとしていることを突き止め、それを止めて欲しい。町のモンスターどもも、なんとか駆除してほしい。完璧とまではいかないなら、何とかことが好転できるような方向に持って行ける手立てを探してきてくれませんか? 成功さえすれば、わたくしに出来る範囲で謝礼を支払うなり、そなた達の希望を聞きいれるなりいたしましょう」

 

冒険者も、モーウェン公に、自分達が今まで関わってきた事件のあらましを話してきかせます。そして、〈はぐれられた御方〉の野望を打ち砕くことを誓うのでした。

モーウェン公の更なる話によると、彼女の諜報員がすでに(というか昔、彼女が町を離れた頃から、町の様子を密かに把握しておく為にずっと派遣していた)ダガーフォードの町に潜入しており、様々な調査等をこなしているとのこと。今回も、その人物と町外れで合流し、秘密の侵入経路から中に入り込む手立てになっていたらしい。また、町の勇敢な人々が地下組織を作って反抗しており、その人達とも会見、一緒に解決に挑む約束になっていたそうです。彼らと合流、力を合わせて事件に挑んではどうかというモーウェン公の申し出に、PC達は大きくうなずきました。

こうして冒険者達は諜報員や地下組織の存在に微かな希望を持ち、ダガーフォードへと再び向かい始めたのです。

 

 

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まんまと騙された一行は、閉じ込められたホールで激戦を繰り広げることになる!

シーン4:ダガーフォード地下区画での危機

冒険者達が久しぶりに戻ったホームタウン・ダガーフォードの町は情報通りの有り様になっていました。不気味で深い霧に包まれており、人々の様子は完全におかしい。

ようやくアンダーダークの“暗黒”の世界から抜け出てきたと思ったら、町は“暗雲”立ち込める状況になっていたと言う皮肉な展開に、冒険者は舌打ちします。

町の人々にも敵側にも顔が知られていることもありますし、下手に近付くのもはばかれたこともあり、冒険者達はまだ時間はありましたが町外れにて諜報員と合流するのを優先させることにしたのでした。

予定通りの時刻に現れた諜報員と合言葉でお互いを確認し合い、事情を説明します。一行はモーウェン公の勧めに従い、地下組織の人々と会うべく、諜報員の案内でダガーフォードの外壁から少し離れた場所――町はずれにある秘密の出入口から地下通路を通って町中に忍び込み始めました。

 

諜報員「ディアベル嬢は、町の中にあるダガーフォードの領主が住む城砦にいる。あそこは3階建ての大きく広い建物だし、そもそも厳重に守られていて、侵入するとなると、まったくどうしたものか・・・」

 

諜報員は最後にその話題を出した以降、黙り込んでしまいました。

彼に従い、冒険者達はどんどん通路を進んで行きます。途中、通路はいくつか枝分かれしていましたが、諜報員は地下区画を把握しているようで、迷うことなく目的地につながる道を選び、遂には冒険者達を部屋状の場所へと連れて行ってくれたのです。

 

PC一同「・・・ん?」

 

冒険者達が部屋の中に踏み込んで、嫌な気配を察知したのと、諜報員が急に前のめりに倒れ込んだのが、ほぼ同時でした。

そこは巨大なホールだったのですが、いくつかある、扉が設置されていない出入口に、頑丈そうな鉄格子が鈍く嫌な音を立て急に落ちて来て、どこからも出入りできないようになってしまいます。

見れば諜報員は何かの魔法なのか呪いなのか――にかけられていたと思われ、ここに冒険者達を連れて来たと同時にこと切れるように仕組まれていた様で、既にこの世の者ではなくなっていました・・・。

鉄格子の一つ、格子の向こう側から聞いた女性の声が響いてきます。

 

農夫マヤン「ここに来たということは、ブラック・ドラゴンちゃんも倒してきたってことだね。相変わらず困った旦那方だよ。うふふふ。でも、まんまと罠にかかったようだ。この間のお返し、100倍返しも含めての、死のプレゼントをお前たちにしてやっぺ。今度こそ、ここが貴様らの墓場になるのさ~!!」

 

鉄格子の向こうに、農夫姿に変身しているデヴィル〈美しく太った御方〉ことマヤンがいました。彼女が指をパチンと鳴らすと、巨大ホールの両サイドの壁がスライドして大きく開き、その2ヵ所からシャンブリング・マウンド2体と、それを操る怪しげな仮面の魔道士風の人物が現れます。

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こいつらにも手こずるのに、仮面の魔道士が恐るべき魔術で冒険者に襲い掛かるのであった。

仮面の魔道士「(早々に何か探索系呪文を唱え)・・・〈美しく太った御方〉様、こやつら、ブラック・ドラゴンが守っていた例のブツを持っていますぞ?!」

〈美しく太った御方〉「なんだってぇ~?! ますます面倒を引き起こしてくれる!! まぁいい、どうせここで死ぬ運命だ、早いところ片付けてしまいな!!」

 

シャンブリング・マウンド、仮面の魔道士との戦闘が始まります。DMのダイス目の良さが何度も炸裂し、冒険者達はどんどんHPが削られていきます。これはまずいと冒険者達も出し惜しみなしに、それぞれの特徴や能力を駆使して戦い続けます。

特にNさんPCウィザード・モラウ(ヒューマン)と仮面の魔道士による呪文合戦が目を引きました。お互いに、ファイアーボール、アイス・ストーム、シールド、カウンター・スペル、ディスペル・マジックを打ち出していきます。撃った、消した、効果が適用された、効果がなかった、と漫才の掛け合いの様な会話がNさんとDM間で行われ、その合間合間にゴロゴロゴロ~♪と大量のダメージ・ダイスがロールされたりします。

 

一同「おお~⤴♪」

 

これには場にいる全員がおおいに盛り上がりました。

大量に転がるダイスに目をランランと輝かせた小①Aさんが「ダイス振るのやらせて~♪」とダイスを何度も奪い、代わりに振っては敵味方関係なく大ダメージを叩き出したりします。

 

一同「おお~⤵💦」

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倒されては立ち上がり、倒されては立ち上がり、冒険者達はギリギリの戦いを強いられたのだった・・・!!

高ダメージに次々に冒険者達が倒れるが、それを回復役が回復し、また立ち上がるが、またまたダメージを受けてピンチにーーという熾烈な戦いが続きましたが、最終的にどうにかこうにかPC達が勝利しました。

 

〈美しく太った御方〉「ああーっと。仮面ちゃんが死んじゃった。おいらの大事な部下だったのにぃ。あきれたもんだっぺ。本当にこんなにお前さん達が手強いとは。凄い、凄い。――だが大丈夫。私の巨体の代わりに、もっと重いもんで、あんた達を押し潰してやるからね。魔法の水晶も粉みじんになるだろうて。なになに、旦那様方、焦らなくて大丈夫、大丈夫。この仕掛けを解除するのは、鉄格子のこちら側にしかないから、慌てて罠解除の方法を探らなくても大丈夫だからね~♥」

 

冒険者達のいる天井ホールの天井がそっくり丸ごと、少しずつ下に向けて下りてき始めます。下りるのに合わせて、その天井には何十、何百と言う太い針がせり出してきました。

 

PY一同「ゲッ!!」 

〈美しく太った御方〉「おいらは忙しい身だから、そろそろ行くね。そのホールの壁や鉄格子は特別製で、剣も魔法も効きませんから、どうか無駄な労力はしませんように~・・・さようなら、冒険者の旦那様方!!」

 

流れ者の農夫マヤンことデヴィル〈美しく太った御方〉は、いやらしい高笑いを残して煙のように消え去ってしまいます。

慌てて冒険者達は周囲を探りますが、本当に手立てが見当たりませんでした。鉄格子や壁は頑丈かつ何か特別な仕掛けがなされているらしく、物理攻撃も、呪文も、何も通用しないし通り抜けません。隠された解除装置のような存在も見当たりません。

天井は、軋む音を立てながら、少しずつ、少しずつ、冒険者達に向かって下りてきます。程なくして一行は押し潰されてしまうことでしょう。

万事休す、果たして冒険者達の運命は如何に・・・?!

 

 

・・・と、大いに気になるところで“次回につづく”というニクイ演出を見せながら、今回のシナリオはここで終了いたしました。

今回印象に残ったのは、シーン1の墓石の流れと、ブラック・ドラゴンとの対決。そしてシーン4の魔法合戦シーンですね。

不思議と今回はNさん・Sさん共にダイス目は平均的なものが多く冴えなかった。で、逆にDMのダイス目が大暴走していたという(←珍しい)。あ、ちなみに小①Aさんは今回も当てまくったり、クリティカル連発してました~。スゲェ、なんでそんなに良い目が出るのだろう(爆)。

 

今回の経験点は一人2700点。報酬はひとり1360GP。そして謎の魔法の水晶も入手。

さてさて、気になるところで“つづく”になってしまった今回のMasterの方のキャンペーン(第2部)も、次回で最終回予定であります。ではまた次回にお会いしましょう。