いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第28回:2020年9月27日(日)〈前編〉

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ワイワイ、ガヤガヤ。大賑わいの今回は、今までにないノリが炸裂します!

参加者は、以前からいるメンバーのNさん、Sさん、小②A子さん(←今回から便宜上、表記変えます)、新規で参加されてきたK子さん、中①A子さん、小⑤R子さん、小②I子さん、そしてリーダーのMasterを含む、合計8名。

今回の例会から新メンバー4名が加わることになり、TRPG初心者のその方達の為にもと、以前まで進めていた2本のキャンペーンラインはひとまずお休みにし、1レベルから再スタート、新規(新生)キャンペーンを始めることになりました。今回はその第1回目に当たります。

DMは、リーダーMasterが担当。

プレイ時間は、9時30分~15時30分でした。

 

PYの持ちキャラである、PC達の名前やクラス、そして冒険者パーティ編成(役割分担)は次の通り。全員作り立て、1レベルキャラになります。

◆前衛(近接攻撃班)

 小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)

 K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)

◆補助(回復&補助魔法班、近接攻撃の第2班)

 NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ

 SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)

◆魔法(魔法攻撃)

 中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)

◆後衛(主に援護射撃班)

 小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)

 小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)

 

――プレイヤーの半数が前回、TRPG(D&D)を初プレイした方達で占められていることからも、今回のセッションは「もう一度ルールを説明・復習しつつ行う」という流れに終始しており、会話・探索シーンにしても、戦闘遭遇シーンにしても、解決・終了するまでかなりの時間を要しました(雑談含む)。それらすべてを書き起こすとかなり単調で長くなってしまいますし、今回は主だったところのみ文章化させていただくことにします――

 

 

■シーン1:山のふもと、タニングの町

DM「君たちは冒険を求め旅する仲間達です。今は山岳地帯方面を歩いている真っ最中。ある日、山道の途中、ふもとに見えた小さな町へと立ち寄ることにしました。今まで見聞きした話によれば、山あいに住む人々が集まってできたタニングと言う町のはず。人口も少ない田舎町と言う感じで、特色は何もなし。それでも町に唯一の酒場けん宿屋を見つけ、君たちはそこで休憩を取ることにしたのでした」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「店の主人に話しかけますよ。『切れ味の悪くなった包丁や、穴のあいた鍋は無いかね~? オレの鍛冶で見事な物に直してやるよ~。その代わり、酒代をまけないかね、御主人?』」

宿の主人(DM)「おお、さすがドワーフ、鍛え直す技術をお持ちか。それなら奥のキッチンで働いてる女房に聞いてやるよ」

 

食事や飲み物を取りながら、一行がのんびりしていると、出入り口から何者かが入ってくるのを目にします。身なりからして、旅をしている学者風の真面目そうな顔つきの青年でした。その青年はカウンターにいる宿屋の主人にボソボソと話しかけ始めます。

 

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「何だろう。それを盗み聞きしてみようとします」

PY一同「私たちも同じく!」

 

一行は知らん振りしながら聞き耳を立てます。アンディと名乗ったその学者の語る話は次のようなものでした。

学者アンディは、ドラゴンの生態について研究しており、あるころ手に入れた古い文献を調べていたところ興味深い情報を得たそうです。半世紀くらい前、タニングの町からそう離れていない場所に年老いた一匹のレッドドラゴンが住んでおり、老齢で弱っていたドラゴンはほどなくして老衰で死んだのですが、そのむくろがそのまま棲み処であった“竜の顎(あぎと)”と呼ばれる狭い渓谷に放置されたままになったらしい、と。

 

DM「皆さん、難易度10の、技能〈知覚〉か〈看破〉判定をして下さい」

一同「ダイスをコロコロ~♪ (←で、過半数が成功)」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「クリティカルです!」

DM「・・・そうですか、バッチリですね。するとですね、宿の主人の顔色に変化が見られたのに気がつきます。“竜の顎(あぎと)”というキーワードに反応した感じです。表情が微かに曇ったというか」

PY一同「・・・?」

 

学者アンディ(DM)「その“竜の顎(あぎと)”までの古い地図も入手しました。当時の冒険者が描いたもののようなのですが、出どころは不明です。今でもその場所がそっくり残っているかはわかりませんが、もしドラゴンの遺体があれば、非常に貴重な研究材料になるはずです。私は是非ともそこに訪ねて行きたく、はるばるここまで来ました。しかし、このタニングの町へ来るまでの間に、『最近この一帯に悪さするコボルドが出没するようになり、みんな困っている』と言う噂話も聞いたんです。そいつらに出くわしたら非常にマズイ。私は剣の腕はさっぱりなので、誰か護衛についてもらいたい、と思いまして。この町に腕の立つような人物はおりませんか? 正直、それほど持ち合わせはなく、ささやかなお礼しかできないのですが・・・」

宿の主人(DM)「う、うーむ・・・・・・」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「DM、宿の主人のその反応は、行かせたくない感じ、とかですか?」

DM「いえ、そういうのではなく、乗り気じゃない感じなんです。そこまであからさまではないけど、滲み出している雰囲気が、う~ん、ちょっとなぁ~、みたいな・・・」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「コボルド・・・?! コボルドと言うキーワードに、ギランッ! と目つきを鋭くさせます」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「あの、コボルドってなんですか?」

 

初心者の参加者さんのことを考え、前もってコボルドのイラストの拡大コピーを用意しておいたDMは、それを場に出します。そしてコボルドが、このゲーム世界に広く生息している竜や犬のような頭をした小型の人型クリーチャーで、人々に害なす存在であることを伝えました。

 

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「ヒ~ッ!」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「すごい顔してるね。モンスターなんだ」

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「殺しても生き返って来るとかはない?」

 

初心者の皆さん、どんどん質問されてきます。

 

DM「この世界では、村の作物に悪さするコボルド退治を依頼されるとか、町から町へ商売しに行く隊商を襲うコボルドから商人を守る依頼だとか、よくあるんです。初心者の冒険者でも対応できる範疇の依頼なんで、色んなところでしょっちゅうその手の話を耳にするくらい。現実で言うと・・・なんというか、狂暴化した野犬の群れをやっつける感じかなぁ・・・」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「例えていうと、確かにまぁそんな感じでしょうね」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「学者さんの依頼を受けてやろう!」

他のPY一同「うおっ?!」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「コボルドは、俺たちドワーフの敵だ! コボルドなんて、オレの武器の錆にしてやる! ・・・だから、御主人、酒代やすくしてくれ~」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「(爆笑)」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「リーダー、どうするんですか?!(←いきなり小②A子さんを見ながら)」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「(恥ずかしくて)あの、どうすればいいの?♥ モジモジ♥」(注:彼女、セッションが始まる際、「私がリーダーをします!」と声を大にして宣言してしまっていたのです)。

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「これでは、どうするか決まりませんよ~」

 

様子を見て、DMは助け舟を出すことにしました。

 

DM「宿の主人がため息をつきながら、説明してきます。『ここひと月ほど前からだ。どこからか流れてきたコボルドの一団が、山道を行く旅人をケガさせたり、町の近辺に出ては家畜や作物に悪さをし出したのは・・・。そのコボルドどもを退治しようと血気盛んなこの町の若い連中が挑んでね、みな返り討ちにあい、大怪我ときたもんだ。実は今、この町はそういう大変な目に合っていてね。なので、町に案内できそうな人間は、本当にいないんだよ・・・』」

PY一同「宿の主人の様子が先ほどおかしくなったのは、そういう理由からか」

DM「学者アンディは、ガックリと肩を落とします。宿の主人がすまなさそうに彼を見ますね。『それに、だ。聞こえてきた噂を色々とまとめてみると、コボルドどもが棲み着いたのが、どうやら学者さんが言うその“竜の顎(あぎと)”らしいんだよ。しかも出会った人間に対し、片言の共通語で――レッドドラゴン様が復活した、神として崇めたたえよ!――とか言いふらしているらしい。おそらくはコボルドどもの妄想だっていうのは分かるけどねぇ。だとしても、だ、気味悪いじゃないかい。学者さん、あんたにゃ悪いが、今のご時世、好き好んでついていくやつぁいないよ』。学者アンディが、唇をかみしめます、それで、『そうですか。なら、私はますます行かなくてはなりません! コボルドどもが、大切な研究材料に悪さしてないかも確認しなくてはならないし、ボクは1年近くもかけて調査を進めてきたんだ。だから今ここで引き下がるわけにはいかないんですよ!』と声を荒げます」

 

DMは、場にいる全員を次々にジロジロと見だしました。

 

DM「なんだかね、学者アンディと宿の主人が、だんだんと君達をジロジロと見始めていますよ。期待を寄せているような目で、ね」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「仕方あるまい。ここまで聞いてしまい、なおかつ7人も冒険者が揃ってて知らん振りするのも、な」

DM「うん、するとね、流れが見えてきたその頃を見計らったようにして、酒場の一番奥にいた高齢の老人が、君達のそばにやってきました。かなりの年齢のその老人は、身なりも立派で、それなりの地位についているように見えます」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「だれ???」

町長グルドン(DM)「話は聞かせてもらいました、旅のお方たち。私はこの町の町長をしているグルドンと言う者じゃ。学者さん、“竜の顎(あぎと)”の存在は、この町の古い古い人間ならだれでも知っているよ。わざわざ訪ねて行った者はほとんどおらんが、若いころ悪さばかりしたドラゴンも、年老いてからは引退したかのように棲み処に引きこもるようになってね、そのうち老衰で死んだ、とのことだ。私が知る限り、その後、そこには誰も訪ねて行っておらん」

学者アンディ(DM)「(目を輝かせながら)本当ですか?! そっくり残っていたら、さぞ、すごい研究材料になることでしょう!!」

町長グルドン(DM)「しかし、訪ねて行くにはコボルドの問題があるだろう? そこで、だ。7人の皆さん、冒険者とお見受けしたのだが、ひとつこの町の相談にも乗ってくれないかね? 悪さをするコボルドを全滅させてほしいんだ。根城にしている“竜の顎(あぎと)”まで乗り込んで行って。その学者さんの手伝いをするのは全然かまわない。ドラゴンの棲み処のこともわしらには関係ないから好きにしていい。ただ、このままコボルドを野放しにしていたら、このタニングの町は大変な状況に陥ることだろう。結局、学者さんを守って“竜の顎(あぎと)”まで行くのなら、ついでに1匹残らず倒して来て欲しいんじゃよ」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「(うーん、便乗依頼?!)」

町長グルドン(DM)「ゴホン! 大したことはできないが、約束する、礼はちゃんとしよう!」

学者アンディ「なるほど、コボルド退治に行かれるのなら、ついでに私も連れて行ってください。ささやかですが、護衛の代金は支払いますので、お願いします!」

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「(うーん、どちらも便乗依頼?!)」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「リーダー、どうするんですか?!(←小②A子さんを見ながら)」

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「リーダー、行ける?(←助け舟)」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「『はい、わかりました!』と、言う」

PY一同「おお~、決まったね~♪」

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「ここで行かなかったら、この話し終わっちゃうし~」

 

一同、大爆笑♪

 

町長グルドン(DM)「依頼料だが、前金として、ポーション・オブ・ヒーリング(HPを回復できる治癒の薬ビン)を5本差し上げましょう」

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)「5本も?! お~っ!」

町長グルドン(DM)「そして、コボルド退治をしてきて下さったら、更にお一人様10gpずつほど差し上げましょう!」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「おお~っ!」

学者アンディ(DM)「私の依頼も果たして下さったら、お一人につき、5gpずつを差し上げます」

初心者一同「おおお~っ!」

DM「1gpが現実で言う1万円くらいだろうとどこかで読んだことあります。15gp、額としては給付金より上かもね?!」

先輩PY一同「ちぇっ、金貨15枚か・・・しょっぱいなぁ~・・・(けど1レベル冒険者だし、しょうがないか)」

町長グルドン(DM)「かつての噂話では、“竜の顎(あぎと)”には、レッドドラゴンが貯め込んだお宝があると言われていた。もし、本当にそれが今でもあったとするならば、あんたらの自由にしても誰も文句は言わないことだろう」

PY一同「おおおおおお~っ!」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「(ボソッ)お金とか、お宝とか、だまされないといいね!(ボソッ)」

場にいる一同「・・・・・・⤵」

 

さて、冒険者たちは町の人々から追加の情報を2つ得ました。

学者アンディの持つ古い地図はほぼ正確とのこと。付け加え人々から道のりについてきちんと教えてもらえたので、迷うことなく辿りつけるはずです。着くまでに1~2日はかかるはず、と言うことでした。

老人たちからは、ドラゴンが元気だった頃に“竜の顎(あぎと)”に向かった冒険者グループがいたが戻ってこなかったと言われているという情報も入手しました。「その後もドラゴンが生きていた」ことからも、「おそらくその冒険者が描いたのであろう地図が今ここにある」ことからも、ドラゴン退治は失敗に終わり、生き残った(?)冒険者の誰かが地図を後世に残したに違いないと推測されました。

 

こうして冒険者達は、学者アンディを守りながら、コボルド全滅の依頼も果たすべく、“竜の顎(あぎと)”目指して、翌日、冒険に繰り出すことになったのです。

 

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誰も訪れない、草木が鬱蒼と生い茂った深い森の奥には、魔物が棲みついているものです。

■シーン2:大蜘蛛の森

冒険者たちは隊列の中央に学者アンディを配置、厳重に守りつつ旅を始めました。見るからに学者肌の彼は、左腰にショートソードは装備しているものの、それはあくまで安全のため、とても戦う技術自体はないように見えます。

彼の持つ古い古い地図を改めて見せてもらうと、道のりは次のようになっていました。

まずは山の入り口に当たる“森”の中を進む。

森を抜けて山道に入り、“古い吊り橋がある崖”の上を進む。

距離からしておそらくその先の山あいで日が暮れるので、“野営”

翌日、大きな“霧の渓谷”を進む。

ほどなくして先細りになっていくその渓谷の狭まった先端、奥まった行き止まりこそが目的地である“竜の顎(あぎと)”になっています。

 

学者アンディ(DM)「グルドンの町の人達によると、若い衆が大ケガさせられたのは街道がある別の山道の方。地図に描かれている各場所に行った者は何十年もいないので、具体的に今現在その一帯が本当にどうなってるかは誰も分からない・・・と言うことでした」

 

どんどん歩いていく冒険者たちの周囲に草むらや木立ちが現れ始め、いつしかそれが森となっていきます。ここは地図にある最初の場所、山に向かう森の中。一行は周囲に警戒しながら進みますが、森は平和そのもので、小鳥のさえずりや虫の鳴き声がのどかに聞こえてきていました。

その様な雰囲気で、しばらくは何事もなく安全に進んでいけたのですが、森が深くなるにつれて状況が変わります。

DMは用意したバトルグリットマップに、マイPCのフィギュアをPY達に配置してもらいました。

次に、難易度15の、技能〈知覚〉判定を要求。それに対し、PCの半数が成功を収めます。

 

DM「『ん?!』と、君たちは、いつの間にか森の中が静まり返り、鳥のさえずりも虫の音もなく、不自然な不気味さが漂い始めていることに気がつきました」

PY一同「おかしいぞ!?」「おかしいよね!?」「ヤヴァイ雰囲気だよね!?」「何か出てくる可能性が高いよね!?」「武器を構えて、周囲に十分注意しながら歩くよね!?」(←全員、逆に期待が高まっているらしい)。

DM「ハイ。するとですね、ふわ~っとしてベタベタするものが皆さんの顔や体にまとわりついてきてビックリしました」

PY一同「うげっ?!」「それは?!」「もしかして?!」「蜘蛛の巣ーッ?!」(←敵ではないものに、全員、意表を突かれて本当にビックリしている)。

DM「ハイ。良く見たら、やたらめったら木々の間や草の中に、大量の蜘蛛の巣がはりめぐらされているのを目にしますよ」

PY一同「ナンダヨー⤵」「うわぁ~⤵」「払い除けまーす⤵」「ペッ、ペッ!!⤵」「や、だ~ッ⤵」

DM「ハイ。皆さん、ここでもう一度、難易度20の、技能〈知覚〉判定を行ってください」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「ナンイドッ、ニッジュウウッ~?!」

DM「ナイストゥ、ミッ・チュ~じゃない!(←空耳) 難易度20です!」

大人チームのみ「(ニヤニヤ)」

PY一同「ダイスをコロコロ~。あれーっ?!(←ほとんどのPCが失敗!!)」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「難易度が高すぎる! これはDM、成功させる気がないと見た!」

 

DMは学者アンディのフィギュアを摘まみ上げます。

 

DM「君達は周囲を警戒すること、蜘蛛の巣を払うことに気を取られ過ぎたようです。真ん中にいた学者アンディを見ておらず、ヒューッと風を切るような鋭い音がしたと思ったら、アンディの体が一瞬で空へと飛んで行ったことに、一歩遅れる形で気が付きました」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「これは鬼滅の刃のあれじゃな~い!」

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「うん、あれと同じぃ~だぁ♥」

 

冒険者達が上を見上げると、人の2~3倍はあろうかと言う巨大なジャイアント・スパイダーの体から発射されたロープのような太さのベトベトした蜘蛛の糸に絡み取られ、学者アンディは引き上げられてしまったことが分かりました。時遅くなすすべもありません。アンディは連れ去られてしまいます。

巨大蜘蛛の身のこなしの軽いこと軽いこと、糸でグルグル巻きにしたアンディを運びながら、木から木へ次々と飛び移り――ついには冒険者達からかなり離れた場所、おそらく巣にしているのだろう巨木の上まで逃げてしまいました。

助ける為に動き出そうとする冒険者達でしたが、その大蜘蛛の子供らしい犬ほどの大きさがある6匹の蜘蛛に取り囲まれてしまいます。

 

DM「皆さん、戦闘です。イニシアチブ判定を行ってください!」

PY一同「うぉ~! 今回の初戦闘だ~ッ!!」

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新生冒険者パーティの第一の敵は、大蜘蛛の一家でした!

PC達は、ひとまず周囲を取り囲むチビ蜘蛛軍団を全員協力して排除しようと試みます。

一部のみ倒し、道を切り開いて、前衛と補助の数名が親蜘蛛のいる巨木を目指しました。

 

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「敵だ~ッ! うぉぉぉ~ッ! 突撃~いぃぃぃッ!!(←戦闘になるといきなり超リーダー化、爆走するらしい)」

 

後方に残ったPC達は、周囲に残るチビ蜘蛛たちを倒すことに専念。

親蜘蛛まで近づいたPC達の方は、予備に持っていた遠隔武器(ボウや投げ斧)に持ち替え、木の上の親蜘蛛を狙って撃ちます。

怒って木から飛び降り、近接攻撃を試み始める親蜘蛛に対して、近くにいたPC達は接近戦武器に切り替え、肉弾戦を始めました。

チビ蜘蛛をすべて倒して駆けつけた後衛たちも協力し――一部ダメージを受けた者がいたものの――大蜘蛛を追い詰めます。

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巨木の上には、大蜘蛛に捕らわれた学者アンディが。救出せよ、冒険者達。

中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)「遠隔攻撃呪文ファイアー・ボルトを唱えます。呪文攻撃ロールでダイスをコロコロ~・・・命中♪ ダメージは、コロコロ~・・・最大の10ポイント!!」

PY一同「ダメージ、でかっ?!」

DM「HPをガリガリ削られて瀕死になっていたジャイアント・スパイダーは、それで止めを刺されました。死亡して、足をピクピクさせ、そのうち動かなくなりますね」

PY一同「イエェェェ~イッv(^_^)v(拍手♪)」

 

先輩グループが戦闘攻略の流れを細かくレクチャーせずとも、皆さん自分の役割分担をそれなりに考え・守り・行動していたものです。

連携が程よく取れた戦闘遭遇が終了し、冒険者達は協力し合って木の上に捕まえられていた学者アンディを救出。HP等を回復するのに小休憩を取り、その後、森を抜けだすために再び歩き出したのでした。

ーーDMはそそくさと、そばにいたプレイヤーさん達に協力してもらいながら森のシーンのテレインを撤去。地道に次の場面である吊り橋のある崖のセッティングを始めますーー。

 

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今までにない立体的な戦闘空間に皆さんの視線が釘付けになります。

■シーン3:吊り橋のある崖

森の中をようやく抜けた冒険者達は、山へと入って行きました。

いつの時代の物かは分かりませんが、人の手が加えられた山道のようなものがあり、そこを進んで行きます。しばらく進むと、ふたつの高い崖が立ちはだかる広い場所へと出ました。手前はそれほど高くはないのですが、奥に行くにつれてその崖が高くなっているのが分かります。

複雑な道程をたどる場所なのですが、先に進む為の道のりとはこうでした。

まず、階段状のモノを上がり、東側の崖上の道を進む。すぐに高い絶壁が道をふさいでおり、割れ目の向こう西側の道につながる(茶色の)吊り橋がある。その吊り橋を渡り、ふたつ目の階段状の岩場を登って、西側の道を進むとまた高い絶壁があり、割れ目の向こう東側の道につながる(ベージュ色の)吊り橋が架けられている。それも渡って東側の道に戻り先に進めば、この崖の一帯を通り抜けられる、と言うものです。

崖と崖の間(中央の割れ目のこと)を通り、どこからか崖を上に向けて登っていくには、傾斜がとてつもなくオーバーハングしていて到底むりそうでした。

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「DM、ここから目視で、何か生物がいるか確認できたりできますか?」

DM「では、難易度15の、技能〈知覚〉判定をして下さい」

 

PCの過半数が成功を収めます。

 

DM「この一帯のどこかは分かりませんが、何かが潜んでいる怪しげな気配がプンプンしてきます」

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「警戒しながら進みましょう・・・ねぇ、リーダー?」

小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)「あ、はい! じゃ、ちゃんとした隊列を組んで、道を進み始めま~す!」

 

一行は階段状の岩場を登り、東側崖上の道を歩いて、すぐ先にある茶色い吊り橋の手前まできました。

吊り橋を良く観察すると、手前の茶色い吊り橋はかなり老朽化しており、気を付けて歩んで行かないと踏み板を踏み抜いてしまいそうです。それに比べ、奥にあるベージュ色の吊り橋は頑丈そうに見え、まだまだ普通に仕えそうな強度を保っていることがうかがえました。崖の上の方に崩壊一歩手前の人工的な壁が見えることからも、上の方はかつて何か遺跡があったようです(風化しており、今となってはどういったモノであったのかは判別不可能)。

 

DM「茶色い橋の踏み板を壊さないようにそっと進むには、難易度10の、能力値〈敏捷力〉か、技能の〈運動〉か〈軽業〉、どれでもいいので好きなもので2回判定し、どちらも成功しなければなりません。半分渡ったところで1回目、もう半分渡ったところで2回目、のイメージです」

 

PY同士でまず誰が行くか軽くもめた後(←みんな挑戦したがった)、小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)が一番手に決まりました。

 

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)「万が一、落ちた時のことを考えて、モコの腰にロープをくくりつけます。で、無事に向こう側に渡ったら、そのロープの端を吊り橋の支柱か、どこか結べそうなところに縛ってもらいます。勿論、こちら側もどこかに結び、他の仲間は張ったロープを頼りに進むことにします」

DM「了解です」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「よしっ、ダイスをコロコロ~・・・あ、失敗・・・⤵(←声が小さくなる)」

 

高さは2階建ての家のベランダよりもう少し高いくらい。けど、モコはロープをくくりつけていたし、態勢を保とうとする判定にも成功したことから、1ポイントのダメージを受けただけで済みました(←ロープが捻じれて体にキツク絡んだことによるダメージ)。

 

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「今度はあたしがやりたい! 判定に必要な数値、めっちゃ高いしぃ♥」

 

この手の行為には長けているローグ。しかもPYの出したダイスの結果はどちらも20に近いもので、余裕で渡り切ったのでした。

 

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「イェーイ♥」

PY一同「イエェェェ~イッv(^_^)v(拍手♪)」

 

PC達はリクがつないでくれた、しっかりと張られたロープを頼りに、全員問題なく吊り橋を渡り切ります。

 

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)「今度は私がリーダーになって先を歩きます♥」

 

「PC達の方が、気配がする方に近付いていっている」というDMの状況説明に、この先に何かが待ち構えているはずだと、まずは先行して新リーダーを名乗った小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)を先頭に、小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)、K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)、小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)が吊り橋の入り口付近にある壁の残骸裏に移動、周囲の気配を窺いました。

・・・しかし、風の音が聞こえてくるだけで、どこからも動きがない。

後方に位置していた中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)が、更に注意深く周辺を確認しながら先に行ったチームの後を追うように移動しようとしたところ、反対側の崖上の道から二本の矢が飛んできて、足元の地面に、「ドスッ、ドスッ!」と音を立てて突き刺ささったのを見ました。

 

PY一同「うぉう、セーフッ!!」

 

全員して改めて反対側の崖上に目をやると、そこかしこにある崩れた壁の隙間から、弓矢で武装したコボルド兵士4体の姿が見え隠れしていることに気がつきます。

 

SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)「リーダーに盾になって頑張ってもらわないと!」

小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)「このリーダーが死んだら、次は誰がやるの~?!」

PY一同「おいおい、ひど~い!(全員大爆笑♪)」

 

さて、全員でイニシアチブ判定。戦闘遭遇が開始されます。

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吊り橋は1マス移動するのに、PCの移動力が2ずつ必要だった!(移動困難地形)。

小⑤R子さんPCローグ・リク(ウッド・エルフ)、小②I子さんPCファイター・モコ(ヒューマン)、小②A子さんPCファイター・スイミー(ヒューマン)、の3名が、吊り橋の入り口付近にある壁裏に隠れたまま、遠隔武器(弓)で応戦を開始。

 

K子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)は、反対側の崖上に乗り込んで接近戦を挑もうと一人吊り橋を渡り始めます。

だがしかし、なんと、不安定な吊り橋を急いで渡るのには無理があるという理由から、移動力2マスぶん使用で吊り橋は1マスしか進めないとDMに告げられてしまい、K子さんは愕然、呆然自失となります(DM「解説しよう! 彼女のPCの移動力は5しかないのだッ!」)。

 

参考までに、吊り橋の長さは10マス。すぐには反対側にたどりつけない状況のニコルに、コボルドどもは無情にもマト当てゲームのように弓矢攻撃を当ててきます。

ダメージを受けて、「うわぁ~ぁぁぁ⤵」と声を上げるK子さん。

 

何とかニコルを救おうと、中①A子さんPCウィザード・リア(ハイ・エルフ)も、コボルド達に遠隔攻撃呪文ファイアー・ボルトを飛ばします。

NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)、SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)も回復&補助魔法などで仲間を応援。

 

数戦闘ラウンド後、なんとか吊り橋を渡り切ろうとしていたK子さんPCファイター・ニコル(ハーフリング・スタウト)に対し、全滅しかけていたコボルド弓矢部隊とは別に、他の壁裏に潜んでいた戦士コボルド部隊が飛び出してきて、吊り橋の終わり地点でニコルを待ち構え始めます。

そこに切り込んでいく、切り込み隊長ニコル!! ニコルは一人で崖向こうの敵に攻撃を繰り出します。

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切り込み隊長ニコルが吊り橋を渡り切り、本領発揮、コボルドに攻撃を仕掛けます。

後方にいた、NさんPCクレリック・ダタク(ヒルドワーフ)、SさんPCバード・ヨーリオン(ドラゴンボーン)は、自分達が歩いてきた道の方から、何者かがやって来る気配を察知しました。

見ればそれは、崖と崖の間の空間にある岩場の陰に隠れていた他のコボルドどもで、一行が吊り橋を挟んだ戦いに気を取られているのを好都合とばかりに、こっそり上にあがり、そばまで移動してきていたのです。

相談し合い、下段に位置するコボルドらに、自分達の視線が通る様にと道を戻り始める2人。

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コボルドはPC達より下にいる為、視線が通る位置まで戻らねばならない!

各々の相手を着実に攻撃、倒しながら、手が空き次第、他の仲間のピンチに駆けつける流れで、死亡者が出ることもなく、一行はどうにかこの崖一帯に隠れ潜んでいたコボルドどもを全滅させることができたのでした。

 

PY一同「イエェェェ~イッ、やったぁ~v(^_^)v(拍手♪)」

 

皆さん、“いわきD&D同好会”初(←確か)の立体的な戦闘遭遇シーンに、色々と感想やら意見を口にしながら、たいへん面白がってプレイされていました。

「周囲の怪しい雰囲気もあるし、一度にどこまで進んでいいのか?」「吊り橋の高さはどれくらいなのか?(下にクッションを置いておけばいいんじゃないの?案も炸裂)」「お互いに見えるのかどうか?」「遮蔽になるのかどうか?」「あそこにたどりつくのに何マスあるのか?」「高い低いは何にどう関係して来るのか?」等々。

フィギュアを吊り橋の上に置いたり、壁裏に配置したりして眺めるだけでも、皆さん、なんだか楽しくなっちゃていたようです。

 

~セッション中、リアルにここでお昼休みになったので、記事も〈後編〉に、つづく~