いわきD&D同好会のブログ

福島県いわき市で活動しているTRPGサークル“いわきD&D同好会”の紹介ブログです。〈ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)5版〉と〈新クトゥルフ神話TRPG〉をプレイしています

例会レポ 第26回〈後編〉:2020年7月18日(土)

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ーーシナリオ後半の舞台はダガーフォードの街中心部へーー

――第26回目にあたる今回の例会レポですが、長文になってしまった為、前後編にわけてあります。これはその〈後編〉になります――

 

シーン4:共闘

冒険者一行は、ディアベル嬢の魂から聞かせられた秘密の地下通路を通り、一路、ダガーフォードの街の中心部へと急ぎます。

秘密通路の最果てには、上へと伸びる長い長いハシゴがあり、登った先は見慣れた街角、――町の中心部近くのメインストリートの一角――建物と建物の間に置かれた昔の偉人像の台座の裏側につながっていたのでした。

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こんな馴染み深いところに秘密の出入口があるとは・・・!

そっと台座裏の隠し扉の隙間から外を見れば、時間はおそらく夕方前だと思うのですが、乳白色の濃い霧が一面に立ち込め、そして雨雲の様な真っ黒い雲に覆われた空のせいで、夕暮れ・・・いや、夜に近いような真っ暗さでした。10数メートル先ぐらいまではなんとなく見渡せますが、それ以上は無理という状況です。

 

PY一同「外に出ようとしますが、その他に気が付くことは?」

DM「周囲にひと気はありません。と言っても、街に人が存在していないわけではなく、情報の通り、みんなして家の中に引っ込んでしまっているようだね。窓にひかれたカーテンの隙間から、ぼんやりランプの明かりが漏れている家がいくつも見られます。あとは、そうだね、霧なんだけど、メインストリート以外のところ・・・裏道とか細い枝道みたいなところの多くは、良く見ると霧の色合いが少しおかしいです。紫ががっているというか。それが少しずつ広がり、メインのところにも滲み出してきている感じなんです」

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「毒性を含んだ霧か?! 行かない方が良いし、のんびり構えていると身動きが取れなくなりますね!」

PY一同「台座裏から飛び出し、急いでメインストリートを大教会へ向けて移動します!」

DM「はい。では、外に飛び出し、急ぎ足で進み始めたその時のことです」

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霧の中から次々と冒険者の元に群がってくる邪悪な気配とは?!

PY一同、DMから、技能の〈知覚〉判定を要求されます。成功した彼らは、四方八方から邪悪な気配がすごい勢いで冒険者達に向け近付いてくるのを察知しました。

不意討ちは回避されたものの、敵サイドクリーチャーに取り囲まれた形にて戦闘が始まります。

霧の中から襲いかかってきたのは、2体のクローカー並びにナシック6体でした。

 

PY・Sさん「Master制作のナシックがこんなに・・・!」

小②PY「これはMasterが、朝も昼も夜も休みの日も、ずっと一生懸命作っていた敵だよ~」

PY・Nさん「ディアベル嬢の風呂の水表現はUVレジンでしたね」

 

Masterが先日Twittertweetしていたネタで瞬間的に盛り上がります。ちょっと余談が続いてから、改めて順次、戦闘処理が行われていきました。

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PC一同「本当ならお前らに構ってる暇なんてないんだッ!」

この戦闘シーンにつきましては、PY全員が「本ボス前に出てくるお邪魔ザコ敵なんでしょ?」と決め込んでおり、リソースを温存する為か、主に近接武器による叩き合いや初歩的な攻撃呪文使用によるやや地味に見える展開に終始しました。

(小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフがかなりのダメージを受け、結局、他のPCがキュア・ウーンズ呪文を数回に渡り使用する結果になりましたが・・・)。

 

PY一同「よし! 先に進みます」

DM「はい。では、PC達のフィギュアをバトルマップの中央あたりまで進めて下さい」

PY一同「了解」

DM「ようやくザコ敵クリーチャーを倒し、君達が先を急がなくてはと走っていたところ、教会とは反対側、いま君達が来た方角から、何やらすごい足音が響いてきました。複数です。すごく巨大なものが、足早にドカッ、ドカッ、ドカッとやって来る感じで・・・」

PY一同「今度は何だ?! 振り返ります」

DM「すると、メインストリート奥の霧の中から、超大型クリーチャーが、鎖が付いた首輪のされたこれまたどでかいペットを従えて現れました!!」

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唖然、愕然、呆然の展開。

DMは、ここで隠していたフィギュアを並べ始めます。

ジャイアント? ゴーレム? アンバーハルク? で、ペットのドレイク? ・・・らしいけど、いずれも普通のよりもでかいサイズのフィギュアを・・・(画像参照)。

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思いもよらない超強敵軍団が冒険者に迫る! 絶体絶命のピンチだ!

PY一同「なッ?!(唖然!)」

 

PY全員で黙り込んでしまい、腕組みを始めます。

 

PY・Sさん「ハハッ、ちょっとこれはこれは、どうしたもんか、と」

小②PY「全部、デカキャラ・・・!!」

PY・Nさん「今の我々のキャラのレベルでは太刀打ちできない・・・かな?」

 

DMは、困惑したり不安に駆られるPY(PC)の様子を少し見てから、口を開きました。

 

DM「君達が、覚悟を決めるしかないのかと、腹を固めようとしたその時、四方八方の、今度は屋根の上から、何者か達が、君達の周囲に舞い降りました。10・・・20・・・30・・・と、かなりの数です」

PY一同「いま出てきたやつらでも手におえそうにないのに、追加のお出まし?!」

 

見ればそれはなんとドラウの戦士達でした。それもかなりの数です。

一番最後に冒険者達のそばに舞い降りた、おそらく隊長クラスと思われる者、そのリーダー格が抑揚のない声で冒険者達に告げました。

「詳しく話している暇はない。用件だけ伝える。我々はお前たちもよく知るドラウだ。お前達が知っての通り、〈はぐれられた御方〉は、我々にとっても仇敵である。やつは今、町の中心部の大教会へとたどり着こうとしている。しかし、やつは修道院同様、我々が忌み嫌う結界を、大教会に張り巡らせた。城や町の至る所にもしかり。我々ではこれ以上、手を出せない。だが、千載一遇とはこのこと、この機会を失ったら二度目はないかも知れん。利害が一致しているという点から、お前たちに“共闘”を申し込む。この街中のモンスターどもは我々がなんとか食い止める。だから、貴様たちが一刻も早く大教会へと駆けつけ、〈はぐれられた御方〉を倒すのだ!」

 

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「貴君らは、修道院や、アンダーダークで、我々が関わってきたドラウ達だな? かたじけない、その申し出、受けることにする!」

他のPY「うなずきます」

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更に思いもよらない人物達が現れ、思いもよらない共闘が申し込まれます。

ドラウ・リーダーは続けます。

「お前たちが黒竜を倒し手に入れた魔法の水晶は、もともと我々ドラウ族が生みだした物だ。隠れ身や変装が得意な〈はぐれられた御方〉の正体、そして彼女が大切にしているという謎の“魔鏡”の正体を真実の元にさらけだす為の特殊な魔法を生み出し、その水晶に封じ込めてある。その二つの秘密を解くために生み出されたこともあり、効果は2度しかない。しかし、〈はぐれられた御方〉にまんまと奪われてしまい、行方不明になっていたのだ。おそらくきゃつは、逆に自分達の役に立てられることもあるだろうと考え、保管していたと言うところなのだろう。きゃつは、どのようなものでも自分自身に利用、役立てようと策を練るのが大好きな性分なのだ」

 

ドラウ・リーダーは、最後にこう付け加えました。

「その水晶は、自ら活躍すべき場に持っていきさえすれば、自動的に発動する。きゃつを倒すのに、我々みずから手を下したいところだが、仕方あるまい。あとは任せたぞ、地上の冒険者達・・・!!」

 

ドラウ戦士軍と超大型クリーチャー達の激しい戦いが始まります。

冒険者達はあとのことはドラウに任せ、大教会へと走り出しました。徐々に遠のいていく後方から、激しい怒号や戦い合う音が響いてきます。しかしそれも程なくして、深い霧に包まれてしまい、一体どうなっているのか冒険者達には一切確認できなくなっていってしまったのでした。

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遂に“ディアベル嬢”との再会を果たすが・・・。

シーン5:〈はぐれられた御方〉

冒険者達は街のメインストリートのど真ん中を駆け抜け、遂に目的地である大教会へとたどり着きました。大教会の正面ドアの手前に数人の人影が見て取れるだけで、周辺に他にひと気はなく、やはり霧に包まれています。

大教会前にいたのは、ちょうど先ほど教会にたどり着いたらしい、久しぶりに見るディアベル嬢(修道院の時と異なり、貴族の令嬢風の服装と髪形をしている)と、どうやらその部下らしい体躯たくましい身長2m以上はあるかと言う近衛兵2名、そして大教会の司祭と僧侶でした。

司祭と僧侶は、ディアベル嬢と、彼女が2名の近衛兵に持たせてきた巨大な3面鏡――そう、冒険者達がかつて修道院からディアベル嬢達と旅立つ際に荷馬車へと運ばさせられた、あの恐ろしくでかい3面鏡を、大教会内に運び入れる段取りを相談している最中だったのです。

 

ふと、司祭と僧侶が冒険者達に気が付き、「はてな?」と言った面もちでこちらを見てきました。2人の様子は、しごくまともに見えます。

彼らの様子にディアベル嬢と2名の近衛兵は何事だろうとやはり振り返ってきました。近衛兵はいかにも「何者だ!?」と言う感じで素早くディアベル嬢とPC達の間に移動、警戒態勢を取ります。

一方、ディアベル嬢は「なんと言うことでしょう?! ダガーフォードの誇る、勇敢な冒険者の皆さんではないですか! よくぞ、無事にあのアンダーダークから戻られたものです!」と懐かしむような、感激しているような、そんなそぶりを見せてきたのでした。

 

DM「何か話しかけますか? それとも行動に出ますか?」

PY一同「相手はしらばっくれているだけだろうし、行動に出ます!」

DM「了解です。先行してラウンド行ってくれていいですよ」

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ呪文を詠唱、ドライアドを2体召喚します」

NさんPCウィザード・モラウ(ヒューマン)「懐から、“ドラウの魔法の水晶”を取り出します」

小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフ)「どうなるのかな、ワクワク♪」

 

冒険者達の持つ、黒竜の巣から手に入れた魔法の水晶が、ぼんやりとした光りを放ち始めました。何が起きるのかと息を飲んだ瞬間、たちまちその光は周囲を激しく照らし出す太陽の様なまばゆさとなり、次第にその光り方が一条のまっすぐのビームの束に変化、向こうにいる面々へと伸びて行きました。

ディアベル嬢含め、大教会側の面々はあまりのまばゆさに顔を覆います。

近衛兵そばの三面鏡がガタガタと音を立てて動き出し、ふたを開き始めました。冒険者達の方に向って開かれた三面鏡はみるみる姿形を変え、それは恐ろしい“悪魔や妖魔を想起させるような邪悪なモチーフのふちどり”のされた魔鏡へと変貌しました。いや、ドラウの言葉を信じるなら、この姿形こそが三面鏡の真の姿なのでしょう。

突如、冒険者達の脳裏、そして偶然その場に居合わせた司祭と僧侶の脳裏に、三面鏡の正体についてのイメージが流れ込んできました。

鏡の右側の面は、魔法のクスリを飲ませられ、命令に背かない生きた屍にさせられた城の兵士達に掛けられたその魔法を、広範囲に渡りコントロールできる操作パワーを放つ力が与えられています。

鏡の左側の面は、魔鏡を中心として、かなりの範囲の天候や気温、嵐などと言った自然の力を自由自在に操れる効果を放つ力が与えられています。

鏡の真ん中の面は、魔法のポータルとなっており、あちら側――〈はぐれられた御方〉の支配下にあるクリーチャー達が飼われているアンダーダークのいずこか――へと繋がっており、どのような大きさの者でも自由にくぐり抜け、行き来できる力を持っています。

〈はぐれられた御方〉はこの魔鏡をダガーフォードの街の中心部にあたる大教会に設置し、周囲にまんべんなくより効果的に、広範囲に渡り力を発揮できるよう、そして支配下にあるモンスターを呼び寄せ、効率よく動かせられるよう――ダガーフォードを地上界侵攻のかなめにしようと目論んでいるのです。

 

DM「『ビシッ』と鋭い音がして、魔法の水晶にヒビが入りました。ひとつ目の効果が発揮され終了したようです。続いてすぐ、またあちら側で動きがあります」

 

次に、冒険者達の目の前で、ディアベル嬢の身に恐ろしい変化が起き始めました。「うぐぐぐぐーッ、うぎぎぎぎーッ!!」うら若き乙女とは思えぬような恐ろしいうめき声を上げ、ディアベルが顔を押さえて体をくの字に曲げます。みるみるうちに彼女の肌が青黒く変化し、頭や顔の形が変化していきました。

また冒険者達の脳裏にイメージが流れ込みます。このニセモノが、本当のディアベル嬢を襲い、殺した時の映像でした。ニセモノは悲鳴を上げて逃げ惑うディアベル嬢を後ろから捕まえ、羽交い絞めにすると、頭に食らいつき、頭蓋骨を砕き、脳みそをすすり始めたのです――。

 

小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフ)「オエーッ⤵」

 

冒険者達は一瞬で見抜きました。この偽ディアベル嬢こそが、冒険者達とドラウ達が追い続けていた〈はぐれられた御方〉その者なのだ、と。間違いない、彼女こそが事件の首謀者であり、様々な悪行をなしてきた張本人なのだ、と。

その2つ目の流れ込んでくるイメージがすべて終わると、“ドラウの魔法の水晶”はその役目を終え、モラウの手の中でバラバラに砕け散ってしまったのでした。

 

〈はぐれられた御方〉(偽ディアベル嬢)「よくぞ、私の正体を見抜いた、ダガーフォードの冒険者達よ! 私こそが〈はぐれられた御方〉だ!!」

 

DMはディアベル嬢のフィギュアを取り除き、代わりにタコのような頭をした人型クリーチャーのフィギュアを同じ場所に配置しました。

 

PY・Nさん「〈はぐれられた御方〉って、マインド・フレイヤーだったのか~?!」

PY・Sさん「イラストで見たことありますよ。タコみたいな頭部を持っている人型クリーチャーですよね?! 脳ミソすするとか何とか!」

小②Aさん「変なタコさん♪」

 

両手を顔から放したその人物は、人の形はしていたが、人ではありませんでした。青黒い皮膚を持ち、頭部はタコの様な形状――噂に名高い、アンダーダークに住むという邪悪な生き物“マインド・フレイヤー”だったのです。

 

マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉「気が遠くなるような時間をかけて作り上げた、緻密で美しく練られた私のこの地上世界侵攻計画は、あと一歩で、本当にもう少しで完了するのだ!! ここで邪魔させはしないよ、冒険者どもめが!!」

 

〈はぐれられた御方〉が手を上げると、2名の近衛兵が巨大化し、醜い姿の巨人フォモールに変化します。彼らもそもそも人間ではなかったようで、真の姿を現しました。

ずっと様子を見ていた司祭と僧侶は、驚いたり、混乱したりで、パニックになりながら腰を抜かしています。

ここに、〈はぐれられた御方〉と冒険者達の、最後の戦いの火ぶたが切って落とされたのでした!!

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キャンペーン・シナリオ第2部、最後の戦いが今まさに始まったのだった!!

イニシアチブ判定の結果、冒険者の面々が先攻して行動できることになります。

しかし、逆にその流れのせいで、しょっぱなから敵グループが思わぬ防護策を持っていることが披露されることになったのでした。

 

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「召喚してあったドライアド達に指令を下し、フォモール2体に“フェイの魅了”をかけさせます」

DM「了解です。するとですね、相手側の傍らにある“魔鏡”がガタガタ動き出し、その“フェイの魅了”をキラッと光って反射し、まるで相手側が君達にかけてきたかのように撥ね返されます。ドライアド達が魅了されたかどうか判定してください」

SさんPCドルイド・セロン(ヒューマン)「なッ・・・?! 鏡にはそんなパワーがあるのか!! ・・・こちらは判定成功で、魅了はされませんでした」

NPCローグ・エレヴァン(ハイ・エルフ)「“魔鏡”に防護策がされているなら、あれを先に壊した方が良いかな。弓矢で鏡の面に向けて攻撃します。攻撃ロール成功! ・・・なんか起きますか?」

DM「はい。その矢が鏡に吸いこまれて真逆に向き直った形で、同じ攻撃ロールの判定数値でエレヴァンに飛んでいきます」

NPCローグ・エレヴァン(ハイ・エルフ)「なぬ。こちらのACが先ほど出した数値より上なので、避けるのに成功。これは鏡の枠組みとかを直接殴らなきゃダメなタイプか?!」

 

PY間で“魔鏡”についての推測が話し合われ、気を付けながら戦うことが決められます。

その後、小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフNPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)はそれぞれフォモールに接敵、近接攻撃を繰り出しました。順調にダメージを与えます。

NさんPCウィザード・モラウ(ヒューマン)も、ひとまずフォモールに攻撃呪文系を飛ばしながら、“魔鏡”発動の様子を窺いました(鏡にも何か発動条件があるようで、攻撃呪文は普通に成功しました)。

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前衛の二人が巨人フォモールに接敵、近接攻撃を繰り出します。

遂に来る敵側の順番。

フォモール2体は、小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフNPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)に大ダメージを与えるグレートグラブ2回攻撃を次々に繰り出し、HPを削ります。

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“マインド・ブラスト/精神爆砕”が、冒険者達に襲い掛かるーー!!

・・・そして、マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉の番。

 

DM「マインド・フレイヤーは、フォモール2体の間から、冒険者側に向けてマインド・ブラスト/精神爆砕を発動させます。セーヴに失敗すると、大ダメージを受けた上に1分間、朦朧状態になりますよ!」

PY・Nさん「ちょっとこれはまずいなぁ。セーヴ落としたら、身動き取れないと同じになってしまう」

PY・Sさん「えっと、判定に、シルヴァーは修正0、ダングリムなんか修正-3ですからね! 前衛二人が動けなくなったら、激ヤバな状況に・・・?!」

 

PY間に緊張が走りまくる中、セーヴ判定が行われます。

 

NPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)「コロコロ~・・・ああああ、ダメだあ、失敗ッ!!」

DM「ショックですな!( ̄― ̄)ニヤリ シルヴァーは以後、各ターン毎に解除できたかの判定は出来ますからね」

NPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)「・・・・・・」

 

全員の視線が小②Aさんのダイスロールに集中します。

 

小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフ)「では、転がします。コロコロ~・・・えっと、あ、ピッタリの数で、セーヴ成功で~す!!」

 

PY・Nさん&PY・Sさん&DM「な、なんと?! 修正―3で、難易度15に挑戦して成功するとは・・・偶然とはいえ・・・」

小②Aさん「(*^^)v♥」

 

次のラウンドからは、頼りにすべき前衛の片方NPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)がまったく身動きが取れない中、マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉のマインド・ブラスト攻撃にヒヤヒヤさせられる、緊張感ある展開で進み始めました。

(しかも、なんとNPC(KさんPC)パラディン・シルヴァー(ヒューマン)のセーヴ解除の判定がどうしたことか毎回失敗続きで、とうとう彼はこの戦いがすべて終了するまで動けずに終わることにもなったのです。Σ(゚д゚lll)ガーン)。

 

――戦闘ラウンドすべてを書き起こすと長くなりすぎるので、以下、印象に残ったシーンを抜粋して紹介します。

 

マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉「(効果範囲を確認しつつ)マインド・ブラスト~ッッッ!!!」

DM「これはすごい攻撃方法だ!(←と言いつつ、何か脳裏に引っかかってる)」

DM「そうだ! これはすごい攻撃方法だが、何かエラッタがあてられていたはずだ!(←スクリーン陰にてそそくさとタブレットで公式ホームページのエラッタを確認)。やややッ、こ、これはッ?! ・・・ここで訂正させていただきます。悲しいお知らせです。マインド・ブラスト攻撃、今回の3回目以降はチャージ方式に軌道修正されました(→結果、それ以降、マインド・ブラスト、チャージの失敗続きで効果は一切発揮できずに終わることに⤵)」

 

マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉「(マインド・ブラストが出来ないマインド・フレイヤーなんてクリープを入れない珈琲みたいだ。なので)モラウ、是非ともハグさせておくれ~」

NさんPCウィザード・モラウ(ヒューマン)「(冷静な口調にて)お断りさせて頂きます」

 

小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフ)「フォモールに、普通に2回攻撃します。1回目、普通に成功、ダメージは最大に近い目が出たよ! 2回目はクリティカル成功ね! ダメージはやはり大きな目が出ました~。クラス特徴の“怒涛のアクション”を使って、更に2回攻撃します。1回目、普通に成功だけど、やっぱりダメージは最大に近い目(^^)v。2回目、クリティカル成功~! ダメージはやはり大きな目が出ました~!!」

DM「2体いたフォモールが全滅だと!? ものの3分も経たずに・・・? バ、バケモノか・・・!?(←注:もちろん実際は、それなりに時間はかかってます)」

 

――戦闘不能になったシルヴァーの前線不在と、恐るべき魔鏡の効果と、マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉のマインド・ブラスト攻撃の脅威から、前半戦はPC側がガタガタの戦局を余儀なくされましたが、中盤以降、攻撃ロールのダイスの目の良さと仲間同士の連携が取れ始めると、段々と勝機を見い出せるようになって行きました。

 

2体のフォモールが倒され、冒険者達からの再三の攻撃からHPを削られていた〈はぐれられた御方〉の元に小②AさんPC(に昇格した)ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフが移動攻撃を行います。

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ダングリムがマインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉に突撃す!!

ファイター・ダングリム(マウンテン・ドワーフ)「ボスめ、倒すぞ~! いつもの様に2回攻撃ねッ! 1回目、普通に成功、ダメージは最大に近い目! そして、2回目はクリティカル成功だッ!! ダメージはやはり大きな目が出ました~!!」

PY一同とDM「また、美味しいところを持っていかれた・・・。しかも、なんでそんなに毎度クリティカルが出るんだろう・・・滝(;’∀’)汗」

 

DM「ダングリムのバトルアックスがとどめを刺しました。〈はぐれられた御方〉の断末魔が周囲に響き渡ります。『エルダー・ブレイン(祖脳)の支配から離れ、はぐれ者のイリシッドとなった私は、長い、長い夢を見ていた・・・。すべてを我が手中に収める夢を・・・。しかし、それも、ここで・・・終・・・わ・・・り・・・』言葉は最後まで続かず、マインド・フレイヤー〈はぐれられた御方〉はその命を終えたのです。大きく地面に倒れ込んだ彼女は、二度と動くことはなかったのでした。そして“魔鏡”ですが、彼女の命がついえたのに合わせて、いきなり鏡の面にたくさんのヒビが入り、粉々に砕けた上に、やはり大きな音を立てて地面に倒れ、枠組みもバキバキに割れ、完全に壊れてしまったのでした。おそらく〈はぐれられた御方〉の命の源と連動していたようで、彼女が死んだことにより、パワーを失い、存在自体も維持できなくなったのだと思われます」

 

PY全員がホッとした表情になりました。

 

小②PY「やっつけた! やったね!!(*^^)v」

PY・Nさん「しかし、シルヴァーが今回は全然ダメダメだった・・・」

PY・Sさん「ああいうので朦朧状態になってしまうと、セーヴ成功しない限り、本当に一切何もできなくなってしまうし、前線から離脱しちゃったも同然の扱いなんですよねー」

 

いつの間にでしょう、気が付くと町の至る所から人々が外に出てきていました。事の次第を司祭や僧侶たちと一緒に見ていたようで、目を輝かせ冒険者達を見つめています。

街中にいた〈はぐれられた御方〉の配下のモンスター達は、様子から察するに、ドラウ達が倒すなり、どこかに追いやるなりしたようで、静けさも戻っていました。

 

例のリーダー格のドラウが部下数名と冒険者達の目の前に音もなく現れます。

「見事だ、地上の冒険者達よ。我らの悲願も達せられた。〈はぐれられた御方〉の首は、我々がもらい受けて行くぞ・・・」彼は横たわるマインド・フレイヤーの首を剣で切り落とします。

「目的は達せられた。我々はここから立ち去る。もう二度とお前達と会うこともないだろう」こうしてドラウ達は深い霧の中に消え去り、二度とダガーフォードの街やニーチェさんの修道院付近に現れることはなくなったのです。

 

シーン6:大団円

冒険者達の活躍により、今回の事件は無事に解決されました。闇夜の様に真っ暗で、暗雲立ち込めていたダガーフォードの危機は回避されたのです。

夜明けが訪れるとともに、邪悪な魔法でコントロールされていた天候は完全に回復、本当の意味でもダガーフォードの街に輝かしい夜明けが訪れたのでした!

疲弊しきった冒険者達のことを迎え入れてくれた大教会の司祭達の話によると、どうやらニセモノのディアベル嬢は、例の三面鏡を大教会に寄付するというような話で設置しようと目論んでいたらしく、まさしく間一髪の状況だったようです。

 

――さて、この後の出来事については想像に難くないことでしょう。

ダガーフォード卿ならびに娘のディアベル嬢がいなくなったことからも、隠居していた親族のモーウェン公が新しいダガーフォードの領主に就任したのは当然の成り行き。

魔法のクスリを飲ませられていた騎士や兵士、城に仕えていた者達は、ダガーフォードに住む魔法使いや医師たちの力を総動員、用意された解毒剤を飲ませられ、次第に正気を取り戻していったのでした。

ギャルドン警備隊長と、新米兵士のデボレはボロボロになりながらも生き残っていたものです。再会した冒険者達は「さすがしぶといですね」と声をかけ、向こうも「お互いにな」と返してきて、笑い合いました。

 

2週間程して、少しずつ落ち着きを取り戻してきたダガーフォードにて、ささやかな宴と祭りが執り行われました。ダガーフォードの街の新しい出発を祝う宴です。

その場には、冒険者達がこの冒険に関わるきっかけになった鉱山の面々、修道院の面々、ドワーフの姿にようやく戻れた、行方不明だったアントニアとイグリス、ギャルドン警備隊長と新米兵士デボレ、そしてモーウェン公の姿がありました。

モーウェン公から、場に集まったたくさんの人々へ向け、ダガーフォードの街の新しいかどでの話がなされ、次に冒険者達の今回の功績が大々的に説明されたものです。

「偉大なる冒険者達よ、感謝する!!」

冒険者達には、ダガーフォードの名誉市民の称号が与えられ、冒険者達が望む(ダガーフォードや鉱山からのもので、彼らが用意できる範囲の)すばらしい謝礼が送られることになりました。

それは誰もがうらやむような、金銀財宝や、魔法の武具だったのです。

冒険者達グループの名は周辺の町々や人々に知れ渡り、彼らは本当のヒーローとなりました。

 

こうして今回の長い長い冒険に幕が下りたのです。しかし、これでこの冒険者達の冒険が終わったわけではありません。新しい冒険を求め、彼らはここを旅立つことになります。

その話は、また別の機会に語られることになるでしょう。

 

~リーダーMasterキャンペーンシナリオ第2部・完~

 

今回のPC達の報酬について

ダガーフォードの街の名誉市民の称号。今後、モーウェン公の友人として見られ、ダガーフォードでは丁重な扱いを受けられます。

ダガーフォードの街ならびに鉱山から多大な謝礼が渡されました。冒険者一人につき6000gp。そして冒険者の身(レベル)に合うような魔法の武具、もしくは魔法のアイテムが一人につき2つずつ。種類については基本的になるべくプレイヤーサイドからの希望に合わせます。

・今回の経験点は、キャンペーン・シナリオ完全クリアの特別ボーナス点も含めて、一人8440点となりました。全員8レベル冒険者に成長です。

 

今回のキャンペーン・シナリオの終わりに

2018年10月から始めた今回のシナリオですが、当初はメンバーの予定が合わず例会が休みがちでなかなか進められなかったり、新型コロナウィルス感染症騒動が始まって4ヶ月に渡りサークル自体が休みになったり、用意しておいたシナリオ終盤の流れが、作ったDM本人が気に入らないと土壇場で大幅に作り直し作業を行うことになったりして――と色々ありながらも、ようやく無事にプレイ完結することが出来ました(´▽`) ホッ。

DM自体がD&Dではあまり作ったことがないミステリアス&サスペンス風味アドベンチャーと言うことで、少々話に練り込みと作り込みが足りない個所もありましたが、PYの皆さん楽しんでいただけたようでしたし、DM本人も大変ながらも面白がりながら作ることが出来たものです。

本キャンペーンを長く続けてきたこともありますし、一度、別のTRPGシステムで遊んだり、別のマスターにD&Dをお願いしたりして、しばらくしたらまたこの続きの「別のお話」をやろうと考えています。

その時も、宜しくお願い致します。